キングダム

キングダム李牧(りぼく)の最後と死亡を史実から予想!実在した趙の最強将軍

りぼく
アース
アース
李牧とカイネの結婚は最高でした…

始皇帝が中華を統一する物語である「キングダム」ですが、主人公は嬴政ではなく、天下の大将軍を目指す信となっています。

その信のライバルであり、最大の敵となっているのが李牧でしょう!

敵キャラであり、ラスボス感すらある李牧。

イケメンで常に冷静沈着でジェントルな李牧は、かなりカッコいいですよね!

そんな李牧ですが、歴史上でも実在した人物であり、史実にも登場しています。

信の最大の敵となっている李牧とは、実際どのような人物だったのか?

今後の李牧はどのような展開となっていくのか?

史実の李牧から検証し、予想してみましょう!

◆李牧のプロフィール

名前
李牧(りぼく)
出身国
趙国軍総司令官・趙国宰相・趙三大天
異名趙三大天
年齢推定30代半ば(合従軍時)
初登場13巻 135話「作戦勝ち」
CV森川智之
生死生存中(77巻・856話時点)

◆史実とキングダム李牧を検証!

李牧は原作の「馬陽の戦い」にて初登場した秦の最大のライバル国「趙」の大将軍です。

初登場時に秦の怪鳥と恐れられる六大将軍「王騎」を戦略面で打ち破り、その後「合従軍戦」では秦の大将軍「麃公」をこちらも戦略面で打ち破っています。

それ以外にも様々な局面で秦の中華統一を妨げ、ラスボスの呼び声高い敵キャラクターです。

そんな原作では最強格として登場している李牧ですが史実では実際にどのような人物だったのでしょうか。

ここからは史実での李牧の活躍を見ていきましょう!!

史実の李牧(りぼく)とは

李牧はもともと趙の北方、雁門郡の国境警備長官でした。

雁門という場所は、歴史的に見ても1700回を超える戦いを繰り広げられてきたと言われる関所であり、李牧はここで匈奴の執拗な攻撃を防ぎました。

巧みな戦術により、李牧は匈奴を大敗させ10万の騎兵を失わせます。

この大功により、王都邯鄲に招集されます。

李牧が王都に招集され大将軍に任ぜられ初めて活躍するのが、紀元前233年の肥下の戦いです。

ここで桓騎(かんき)将軍を退けています。

さらに翌232年の番吾の戦いでも秦を打ち負かし、韓と魏の領土を秦から奪い返しています。

ここが李牧の絶頂期と言えるでしょう!

このように中華統一を目指す秦の攻撃を退けたのは、この李牧と楚の項燕だけとなっています。

これだけでも、李牧がいかに優れた将だったのかが分かりますよね!

しかし、紀元前229年に李牧を攻めあぐねた秦が趙の幽繆王と郭開を調略し、李牧は誅殺されその生涯を終えます。

キングダム李牧と比較検証!

史実の李牧でも指摘したように、李牧が北方から呼び寄せられ中央で活躍し出すのは紀元前233年の肥下の戦いです。

つまりキングダムで「王騎死亡編」「合従軍編」「鄴陥落編」に李牧が絡んでいるのは、全くのフィクションとなります。

史実としては、この時まだ李牧は北方の担当となっており、秦と戦った記録は残っていません。

つまりこれまでの李牧は、李信と同じように原先生のオリジナルストーリーということになりそうですね!

現在キングダム最新話では、紀元前233年の肥下の戦いが本格的に描かれており、ここから先は史実に沿った展開が見られるようになっています。

李牧が史実で桓騎を倒す肥下の戦いはすでに決着し、李牧の勝利となりました!

それでは史実を踏まえ、これからの李牧がどうなっていくのか?

予想してみましょう!

◆史実から今後の李牧を予想!

原作では、最新話で「肥下の戦い」が終結し、史実でちょうど李牧が北の土地(雁門)から中央に召集された時期の活躍が描かれました。

ここから先は、原先生のオリジナルではなく、史実に沿った展開が描かれる可能性が高いのです。

では史実に沿って今後李牧はどのような活躍をしていくのかを考察していきましょう。

桓齮(かんき)を倒し、さらなる秦軍との激戦へ

史実では紀元前233年の肥下の戦いで桓騎を討ち取った李牧ですが、「キングダム」でもこの展開は描かれ、李牧は桓騎を討つことに成功しました。

李牧は以前から桓騎の弱点を見抜いており、「奇策以外の手段を知らない」という点を突く形で勝利しました。

この勝利により、李牧は再び趙の守護神として秦を苦しめる存在となります。

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番吾の戦いと青華雲の脅威

肥下の戦いから一年後となる紀元前232年。

史実から秦が趙の番吾を攻めるのですが、李牧が秦軍を再び撃破すると史実から確定しています。

さらにそこから李牧は秦から韓・魏の国境まで領土を奪還しています。

最新話856話では、李牧が「中華十弓」第一位の青華雲(せいかうん)を戦場に投入し、秦の六大将軍・楊端和を狙撃して重傷を負わせるという衝撃的な展開が描かれました。

フィゴ王ダントは楊端和を守るために命を落とし、山の民軍は大きな痛手を受けています。

李牧の次なる標的は飛信隊の信(李信)であり、秦軍の精神的支柱を次々と排除する冷徹な戦略が展開されています。

これらの史実から、番吾の戦いでも李牧の大活躍が続くと予想されます。

李牧の最後は郭開と末子遷により誅殺!キングダムでは昌平君の策略になる?

紀元前229年、王翦を総大将として秦が侵攻してきます。

李牧は司馬尚を大将に任じ対応させ、王翦は苦戦を強いられます。

苦戦する秦は、郭開に賄賂を送り李牧を失墜させるよう画策します。

郭開は幽繆王(末子遷)に李牧謀反の疑いあり、と進言します。

それを信じた幽繆王は、李牧を捕らえ誅殺してしまいます。

キングダムでも、李牧の最後はこのように描かれるような気がしますよね。

その後、李牧がいなくなった軍を王翦はあっさり撃破し、そのまま趙王都「邯鄲(かんたん)」に攻め込み「幽繆王」を捕え趙を滅ぼしてしまいます。

趙の滅亡が李牧の死から数ヶ月後のことであったことから、李牧のみが趙を守る最後の砦であったとともにそれを処刑した「幽繆王」の采配がいかに愚かな選択であったかが分かりますね。

この郭開に賄賂を送り李牧を誅殺させるという調略は、秦の誰の策略となるでしょうか?

キングダムでは、昌平君か李斯っぽい策な気がしますが、やはり昌平君になるでしょうか?

李牧の最期は昌平君の策で迎える、と予想しますよ!

ただし、呂不韋のように「実は生存ルート」になる可能性も指摘されています。

史実では趙滅亡と同年に李牧が以前亡命を助けた太子嘉が「代」という国を建国するため、李牧が牢から脱走して名前を変え、太子嘉のさらなる亡命を助け、代が滅びる時に信に討たれるという展開も考えられます。

この場合、信が王騎から受け継いだ矛で李牧を討つという宣言が果たされることになります。

後味の悪い展開ですが、最新話での李牧にはそのような未来が待っているように描かれているようにも感じました。

カイネの今後の展開は?

さて、これからの李牧の展開を予想しましたが、同時に気になるのがカイネですよね。

李牧は史実上の人物ですが、カイネはキングダムオリジナルのキャラであると考えられます。

最新話でも「ずっと側にいます!」と李牧に誓ったカイネの今後は、どのようになるのでしょうか?

間違いなく、今後も李牧の側近として登場していくでしょう。

ただ気になるのは、李牧死亡後ですよね。

李牧が誅殺された後のカイネは、どのようになるのでしょうか?

管理人アースは、李牧を追う展開になるようなイメージを抱きます。

もしくは李牧から「これからの太子嘉を守ってくれ」と言われ、趙の次の国である「代」まで行く展開か…

史実では李牧には3人の子供(李汨、李弘、李鮮)がいたとされており、結婚していたことは確かです。

しかし妻についての記録がないため、原作では李牧がカイネを妻とする可能性が高いと考えられています。

番吾の戦いでは、カイネが黒桜の放った矢から李牧を守るために自らが盾となり、複数の矢が体を貫いて血まみれで倒れるという瀕死の状態に陥りました。

この時点ではまだ死亡していませんが、重傷を負った状態で「一緒に雁門に帰ると約束したではありませんか」と弱々しく語るシーンが描かれています。

この展開もありそうな気もしますが、やはり李牧を追うような気がします。

もし李牧を追う展開になるのであれば、河了貂との絡みが気になりますよね。

合従軍編での蕞で河了貂に「一緒に来い」と言ったり、城から落ちそうになるカイネを河了貂が救ったり…

二人の縁は深いので、カイネの最後にも河了貂が絡みそうな気がしますよ!

李牧の最期では、カイネと河了貂の動向も要チェックですね!

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今回の考察では、桓騎を倒した後の李牧はさらに秦軍を苦しめ、番吾の戦いでも大活躍すると予想できました!

そこで王翦をも苦しめますが、数年後に郭開と幽繆王に誅殺され最期を迎えるとも予想できました。

まだまだこれからも李牧は信の前に立ちはだかりそうですよね!

これからの李牧の活躍が、むっちゃ楽しみですよ!\(^o^)/



◆李牧の性格と人物像

穏やかで礼儀正しい知将

李牧は一見すると温厚で、常に落ち着いて敬語で話す紳士的な人物として描かれています。

敵国の王・呂不韋や秦王・政と対面しても終始礼節を保ち、穏やかな口調で理を説きます。

蕞攻防戦での政の演説と民の奮起を目の当たりにし、心から敬意を表して撤退する描写など、敵にも敬意を払うタイプです。

人命を重んじる現実主義者

李牧は長平の怨恨や合従軍の感情論に飲み込まれず、常に「国力」「兵力」「兵糧」「外交」のバランスで戦略を組みます。

馬陽の戦いでは、王騎を討った後も無意味な追撃を避け、「これ以上味方に犠牲を出さぬことの方が大事」と語りました。

兵士は全て生きている人間であり、戦でやむなく犠牲になる兵士がいることは仕方ないが、その犠牲一つ一つに意味を持たせたいという考え方を持っています。

何十万人を従え戦に挑む大将軍としては非常に難しい考え方ですが、それを実行し、さらに戦にも勝つ李牧はさすがですね!

極めて長期視点の戦略家

李牧は秦の中華統一構想と同じスケール感で、中華全体のパワーバランスを見ている稀有な人物です。

「秦を完全に滅ぼすと逆に楚一強になってしまい、別の戦乱を招く」など、単純な仇討ちではなく”構造としての平和”を志向している描写が多くあります。

嬴政との会談では、武力による中華統一ではなく「七国同盟」による平和を提案しましたが、即座に突っぱねられました。

しかしその後、「秦将全員がかかってきても私の相手ではない!」と堂々と宣戦布告する姿は、李牧の最っこうな名場面となっています。

◆李牧の強さと能力

個人武力も一流

李牧は前線に出ることは少ないですが、自身もかなりの武人として描かれています。

信と手合わせした際には、信の必殺の一撃を受け止めて跳ね返す描写があり、「李牧が武でも一流」であることが示されています。

ただし、龐煖・王騎・蒙武のような”武の怪物”ではなく、武はあくまで自衛と指揮の補助レベルです。

天才的な策略家・軍師

李牧の最大の魅力は「天才的な策略家・軍師」としての側面です。

冷静沈着で慎重な性格を持ち、戦場全体を俯瞰して敵の裏をかく、想像もつかない奇策を打ち出します。

彼の戦術の特徴として「流動」という超高度な計略があります。

これは地上にいながら緻密な兵の配置で敵将を思うままに誘導する技術で、合従軍編では麃公(ひょうこう)将軍をこの計略で翻弄し、龐煖との一騎打ちへと導いて討ち取ることに成功しました。

李牧の戦術は「フェイント・不意打ち」と言い換えることができ、これは彼がずる賢いという意味ではなく、戦場における柔軟な思考と大胆な発想を示しています。

彼は敵が最も嫌がる場所、あるいは敵が動かざるを得ない場所に巧妙な罠を張り、じっくりと待ち構える戦術を得意としています。

情報戦・諜報の達人

李牧は情報戦・諜報にも長けています。

合従軍前に楚宰相・春申君と密談し、六国合従の枠組みを作り上げました。

鄴戦では、秦軍の兵糧量や中継基地(金安の偽装俵)を舜水樹に調査させ、「兵糧戦」という形に戦場自体をデザインしました。

朱海平原では、鄴からの報告を受け「秦軍の兵糧はあと十日、そこから二十日で敗北を認めざるを得ない」という超具体的な将棋盤読みを披露し、周囲の趙将たちを歓声させました。

本能型キラー

李牧は龐煖・慶舎・万極・麃公・信といった”本能型の武将”を徹底的に研究し、彼らの嗅覚を逆手に取る布陣を敷きます。

朱海平原でも、飛信隊の軍師・貂の読みを封じるため、尭雲という「本能型+藺相如直伝の矛」をぶつけ、信の本能を真正面から潰しにかかる構図が描かれました。

最新の番吾戦では、中華十弓第一位の青華雲を投入し、楊端和を狙撃するという「見えざる矢」の恐怖で秦軍の指揮官たちの動きを委縮させています。

李牧は、秦軍の強さの源泉である「個々の将軍の武勇とカリスマ性」を逆手に取り、その頭を潰すことで軍全体を機能不全に陥れる策に出ています。

◆李牧の主な関係性

カイネとの関係

カイネは李牧軍の三千人将にして李牧の側近を務める女性剣士です。

李牧にとって彼女はどんなときも支えてくれるよき部下であり理解者という存在であり、カイネからの忠誠も非常に厚いものがあります。

李牧は番吾の戦いの前、馬南慈(ばなんじ)から結婚の縁談を持ちかけられた際、「昔からよく知り、苦楽を共にしてきた者」「側にいると安心する者」と答え、暗にカイネを妻に迎える意向を示しました。

また、邯鄲からの脱出後には「もう少し側にいて欲しい」とカイネに告げており、このシーンは多くのファンに二人の間に恋愛感情があると感じさせました。

番吾の戦いでは、カイネが黒桜の放った矢から李牧を守るために自らが盾となり、複数の矢が体を貫いて血まみれで倒れるという瀕死の状態に陥りましたが、この時点ではまだ死亡していません。

重傷を負った状態で「一緒に雁門に帰ると約束したではありませんか」と弱々しく語るシーンが描かれています。

龐煖(ほうけん)との関係

龐煖は三大天の一角にして”武の化身”です。

王騎・麃公・信など、李牧が「秦の大樹」と見做す存在を折るための切り札として運用されています。

馬陽では王騎を討つ場面で、龐煖を前面に出しながら自らも背後から致命傷を与えました。

合従軍では蕞で楊端和軍を蹴散らせる最後のカードとして出陣させました。

ただし、龐煖は”求道者”であり、李牧の完全な支配下にある存在ではない点が、のちの限界になる伏線となっています。

秦側主要キャラとの関係

嬴政とは、合従軍〜蕞戦を通じて、互いに”中華の未来を争うライバル”として認識しています。

政は李牧を「中華統一の最大の障害」と公言しています。

信は王騎の矛を継いだ若き大将軍候補として、李牧がもっとも警戒する存在の一人です。

東金への極秘ルートでの密談シーンでは、李牧本人が信と一騎討ちで手合わせし、武も認めています。

王翦は鄴攻略戦で、李牧と対等に渡り合った知略型大将軍です。

李牧の兵糧攻めの意図を逆読みし、「鄴そのものを兵糧攻めする」という”兵站への兵站戦”で対抗しました。

◆李牧の戦歴年表

時期
戦い
内容
13〜16巻前後馬陽防衛戦龐煖を表の切り札としつつ、自身は伏兵で秦軍背後を突き、王騎に致命傷を与え討ち取る
17〜23巻前後秦趙同盟趙宰相として秦と同盟交渉に臨み、呂不韋と外交駆け引きを繰り広げる
合従軍直前燕攻略戦燕の老将・劇辛を龐煖の一撃で屠り、わずか一日で大戦を終わらせる
26〜33巻前後合従軍侵攻六国合従軍の総参謀として函谷関攻防〜蕞攻防戦を指揮。秦を滅亡寸前まで追い詰めるが、山の民の参戦で撤退
合従軍後左遷〜復帰責任を問われ一時失脚するが、趙北部の異民族討伐などで再評価を得る
47〜59巻前後鄴攻略戦(朱海平原)王翦・桓騎・楊端和連合軍と激突。兵糧戦で秦軍を追い詰めるが、鄴は秦に落城
紀元前233年肥下の戦い(宜安)桓騎の弱点を突き、桓騎を討ち取ることに成功
紀元前232年
(77巻・856話)
番吾の戦い中華十弓・青華雲を投入し楊端和を狙撃。次の標的は信。史実では秦軍を撃破し韓・魏の国境まで領土を奪還
紀元前229年
(未描写)
李牧の最期郭開の讒言により幽繆王に捕らえられ誅殺される(史実)。漫画では生存ルートの可能性も



連載前の読み切り「李牧」について

キングダム総集編Ⅱ短編「李牧」より

「キングダム」連載前に発表されている、「キングダム総集編Ⅱ収録の短編『李牧』」にて、三大天になる前の李牧が描かれています。

そこでは李牧の策によって匈奴から雁門が救われ、雁門で出会ったカイネがどのようにして李牧を心酔することになったのかが描かれています。

本編でもちょこちょこと「雁門時代」を匂わす描写が出てきますよね!

「キングダム」59巻より

この辺りは646話考察にて取り上げていますので、見てみてください!

これらを踏まえても、李牧退場と合わせてカイネの動きは要チェックな気がしますよ。

続いて李牧の名場面を見て行きましょう!



◆李牧の名場面を紹介!

史実でも間違いなく最強格の将軍「李牧」ですが、原作では単に戦が強いだけでなく本気で中華の平和を願ったり、自国をより良い国にしていこうと試行錯誤したりと人間性でも大物感を出しています。

そんな李牧は原作で数々の名シーンを残しています。

今回はその中でも李牧の人間性が現れた名シーンを3つ紹介していきます。

キングダム45巻490話!対嬴政の名場面

「キングダム」45巻より

斉王と邂逅し、盟を結ぶことになった嬴政。

しかしその話をするために斉王は秦に向かう途中、趙を通らざるを得ませんでした。

斉王を秦国へ通す代わりに嬴政との会談を求めた李牧。

その甲斐あって、李牧は嬴政と相対します。

そこで開口一番、嬴政に中華統一を諦めて欲しい、と頼む李牧。

戦を無くすために中華を統一しようとしていることを理解した上で頼む李牧は、代替案として「七国同盟」を提案します。

「キングダム」45巻より

そうすれば血を流さずに戦を無くすことができる、と李牧は説明します。

しかし、即座にその提案を突っぱねる嬴政。

それで戦が無くなるのは自分たちが生きている数十年であり、百年後には無くなる平和だ、と一刀両断します。

そして武力で中華を統一する、と改めて宣戦布告する嬴政。

李牧は「後悔しますよ」と、嬴政の宣戦布告を受け止め返します。

そのまま退座しようとする李牧ですが、昌平君が「後悔するとはどういう意味か。聞き捨てならない」と李牧を止めます。

そこで「私を討たない限り秦国は中華を統一できない。しかし私を討てる武将は秦国にはいない」と言い切ります。

そしてそのまま「秦将全員がかかってきても私の相手ではない!」と秦側に叫ぶ李牧!

「キングダム」45巻より

そのまま立ち去ります。

嬴政、昌平君、昌文君を相手に全員に啖呵を切り、そのまま堂々と立ち去る李牧はスゴいですよね!

中華統一についてのやり取りでは嬴政に完全にやられましたが、その後の昌平君をキッカケにした言い合いでは李牧が全員を飲み込んでいました。

李牧の最っこうな名場面ですよね!

いつも静かなイメージの李牧が珍しく相手を挑発する、熱くカッコいい名シーンとなっています(^^)

キングダム16巻172話!兵士一人ひとりの命を考える李牧の意志

「キングダム」16巻より

「馬陽の戦い」にて趙国三大天「龐煖(ほうけん)」によって深手をおった秦国六大将軍「王騎」。

信の助けによって窮地からは脱出するもその命が尽きることは明白な場面でした。

しかしここで、味方の「趙荘(ちょうそう)」の側近である兵士の「斉明(せいめい)」が王騎を最後まで追い詰めて確実に殺すことでその首を晒そうと激しく勧めます。

その斉明に対して李牧は言いました。

「亡骸を辱めるよりこれ以上味方に犠牲を出さぬことの方が大事ではないのか!」

「この戦の目的は秦の侵略でもなく王騎軍の殲滅でもありません」

「目的は王騎の死 これが達せられた今これ以上血を流すことは全く意味はない」

「無意味な死だけは絶対に許しません 戦はここまでです」

兵士は全て生きている人間で戦でやむなく犠牲になる兵士が居ることは仕方ないが、その犠牲一つ一つに意味を持たせたい。

そんな兵士一人ひとりをただの数と思わず、人として捉える李牧の考え方は、何十万人を従え戦に挑む大将軍としては非常に難しい考え方です。

それを実行し、さらに戦にも勝つ李牧はさすがですね!

他のモブキャラクターとは違う強者感がしっかり出ていた素晴らしいシーンだったと思います。

私ももし戦国時代に生まれたのならば、李牧のような武将の元で戦いたいと心から思いました!

キングダム59巻646話!初めて見せた李牧の弱気

「キングダム」59巻より

秦の大将軍「王翦」が趙の大城「鄴」を取った年に、暗君として知られる趙の王「悼襄王(とうじょうおう)」が死にました。

それにより、趙国内では、李牧らが推す明君の器だと噂の「太子嘉(たいしか)」と悼襄王以上の暗君になると噂されていた「太子遷(たいしせん)」とで次期王座をめぐって壮絶な権力争いが勃発していました。

その結末は、先王の「悼襄王」が残した遺言により、「太子遷」が次期王座につくことになり、李牧は敵対派閥の重要人物として国内で命を狙われることになります。

王都「邯鄲」に居ては命を狙われる李牧達は、「太子嘉」とともに刺客や王都の精鋭部隊の追撃を受けながらも命からがら脱出に成功します。

その夜に李牧は側近である「カイネ」に向かって言いました。

「こんな時期にこの国は…私達は一体何をしているのか…」

「…….さすがに ちょっと疲れましたね」

同年に最重要都市である「鄴」を敵国「秦」に奪われ国家転覆の危機にある趙は本来、国全体で一致団結し、侵略を防がなくてはなりません。

しかし、国内では王座をめぐり、自らの権力のために趙人が趙人を殺し合う残酷な状況になってしまっています。

また今まで、自国の繁栄のためだけに命を捧げ戦に出ていた李牧が自国の軍隊に追われ命を狙われるという状況に、普段は冷静沈着で絶対に弱音を見せない李牧が初めて弱音をはいた人間味溢れるシーンでした。

自国の平和を求める上で、自分の思い通りにいかない葛藤と自身が守ろうとしていた本国からの裏切りに対する悲しみがこのシーンには表現されていますね。

読みながら李牧に同情するとともに絶対に這い上がって来て欲しいと思いました!!

◆李牧の物語上の役割と立ち位置

「秦の中華統一」に対するラスボス級障害

呂不韋・合従軍・鄴攻略戦と、段階的にハードルが上がる秦の統一戦争において、李牧は常に「その段階での最強の敵」として立ち塞がります。

単なる悪役ではなく、「別ルートの中華平定」を構想する人物として描かれており、政・信と対を成す存在です。

「戦国時代の悲劇」体現者

いくら国のために尽くしても、無能な王・腐敗した側近(郭開)によって切り捨てられる名将という、戦国期によくある悲劇パターンの象徴です。

史実でも李牧は”秦にもっとも恐れられた将”でありながら、最後は讒言により処刑されて秦の趙攻略が一気に進みます。

漫画もこのラインを踏襲すると公言されている考察が多いです。

信・王賁・蒙恬を「六将クラス」に鍛え上げる壁

飛信隊・玉鳳隊・楽華隊が真の大将軍になるためには、李牧級の知略を打ち破る必要があり、その意味で”育成用の最強の壁”でもあります。

朱海平原では特に、尭雲・趙峩龍・馬南慈・紀彗らを通じて、信たちの限界を何度も越えさせる仕掛けを用意しました。

◆アニメ版とCV(声優)

担当声優:森川智之

アニメ『キングダム』では李牧役は森川智之が担当しており、第1シリーズの初登場以来、交代なくずっと森川が演じています。

低く柔らかながらも芯のある声で、穏やかさと底知れぬ知略を同時に表現しています。

登場範囲

第1期:王騎最期の馬陽戦で本格登場

第2〜3期:合従軍編・蕞攻防戦

第4期以降:黒羊・鄴攻略戦(朱海平原)まで順次アニメ化されており、李牧は長期にわたる主要敵役として描かれ続けています

◆李牧のまとめ

今回は「キングダム」のラスボス候補「李牧」について解説していきました。

様々な苦難に直面しながらも自国を守り抜こうとする李牧は「ラスボス」に相応しいキャラクターなのではないでしょうか。

仮に今後の展開が史実同様に描かれるのであれば、李牧率いる軍は、秦の大将軍「王翦」に勝利するとされているためこれからの李牧の活躍はほぼ確実ですが、一方で自国の王に処刑されるという作中屈指の悲惨な最後を迎えることにもなります。

最新の番吾戦では、中華十弓第一位の青華雲を投入し、楊端和を重傷に追い込み、次は信を狙うという冷徹な戦略を展開しています。

これからの「番吾の戦い」で李牧の株を上げることにより、李牧の最後の死の悲惨さを脚色して描きたいという原先生の意図があるのかも知れませんね。

何はともあれ、これからの活躍が期待できる李牧に今後も目が離せません!