854話「一斉開戦」
『キングダム』854話では、南北に長く伸びる戦線で秦軍と趙軍が同時に動き出す前代未聞の大規模作戦が描かれます。
総勢100万人規模の兵が各地で一斉に火蓋を切る――まさに中華史上最大の決戦の幕開けです。
前回853話では、信と李牧による士気戦が展開されました。
信は「飛信隊の旗を見上げろ」と檄を飛ばし、李牧は自ら前線に立って「侵略者の叫び、獣の叫び」と趙兵を鼓舞。
両軍の士気が最高潮に達したところで、ついに趙完全攻略戦が開戦しました。
ここから各戦場でどのような戦いが繰り広げられるのか。
李牧が全戦場を移動して指揮を執る戦術がどう機能するのか。
854話の内容を見ていきましょう。
キングダムネタバレ考察|854話あらすじ!
南北で一斉に開戦!各戦場の対決構図
飛信隊の戦闘開始を皮切りに、南北に長く伸びる戦線で一斉に戦いが始まります。
秦軍44万、趙軍40万という大軍が激突する、まさに前代未聞の大戦です。
風現平野では、蒙恬率いる楽華軍が骨珉伯と馬風慈の連合軍と対峙します。
蒙恬は対峙する趙軍を観察し、内心で分析しました。
「剛ではなく楽華と似た柔の軍か」
「戦りやすいようで・・・にくくも感じる」
「読みづらい相手・・・かと」
しかし、蒙恬は状況を冷静に判断します。
「つまりは楽華がこの大戦の主攻になるということだ!」
蒙恬は右翼の愛閃軍、左翼の陸仙軍、そして中央から準備が整ったとの報告を受けると、号令を出します。
「楽華軍 第一陣突撃開始だ!」
龍慶平原では、王賁率いる玉鳳軍が霊咒公軍と激突します。
王賁は隊列を組み、正面から挑みました。
弁狼平原では、録嗚未軍が顔聚軍と真正面から激突します。
録嗚未軍は突撃型の部隊として知られており、気迫を込めて進撃を開始しました。
歴馬平原では、王翦軍が司馬尚軍と対峙します。
王翦にとっては前回の敗北の雪辱戦となる因縁の対決です。
王翦はすぐには先手を取らず、司馬尚の戦略眼を測るように、探り合いに近い静かな布陣を見せました。
獄砂平原では、羌瘣軍が紀彗軍と馬呈軍の連合軍と激突します。
羌瘣軍は2万、対する紀彗・馬呈連合軍は計5万で、完全に兵力差で劣勢です。
羌瘣軍は劣勢ながらも、持ち前の機動力で翻弄を試みています。
そして武南平原では、楊端和軍が舜水樹軍と馬南慈軍と対峙します。
山民族特有の荒々しい動きで、楊端和軍が激突しました。
咸陽での昌平君の戦略解説
各地の開戦の報は、すぐに秦王都・咸陽にも届きました。
文官たちは戸惑いを隠せません。
昌文君はこれを評します。
嬴政が問いかけます。
「この中で主攻となる軍はおおよそ決まっているのかと」
昌平君は首を横に振りました。
「此度の大連合軍は度の軍も主攻にも助攻にもなれます」
「六将王翦・楊端和に加えて六将の残りの三席に近しい武将ばかりがいます」
「本営が全体の戦略を事細かに決めなくても戦いの流れの中で各々が役割を察して遂行する力が皆にあります」
昌平君はさらに続けます。
李牧の全体統制を逆手に取った、攻めの構図です。
南北で同時に開戦しつつ、あえて各軍の攻撃に微妙な時間差を作り出すことで、李牧に全体を把握させない狙いがあります。
各国の反応!魏と楚の思惑
秦趙の全面戦争の開戦は、魏や楚といった他国にもすぐに伝わります。
魏王都・大梁では、宰相・呉鳳明が月華広に問いかけました。
呉鳳明は戦地図を前にして両軍の状況を分析しました。
「北の番吾・宜安の軍が出陣すればこの差は埋まる」
「だとすると軍容・・・その中身だが秦軍としては王賁・蒙恬・李信の将の成長がことさら大きい」
「元韓兵で兵数を補っている不安はあるものの差し引いて考えても軍容では秦軍が勝っていると見ると」
呉鳳明でさえ、この三人の成長を認めざるを得ない状況です。
一方、楚王都・郢にいる媧燐も分析します。
李園が尋ねました。
媧燐は答えます。
「両軍の状態によっちゃー楚軍が北上して両国滅ぼすって道もある」
「とにかくこの戦いが長引けば長引くほど笑うのは楚ってことだと」
媧燐は続けます。
バミュウが、南へ遠征中の項翼・白麗軍を凡城辺りまで北上させることを進言しましたが、媧燐はそれを制止しました。
「秦が勝つって言ったのはあくまで軍容を見ただけの話だ」
「趙には趙でちょっとした軍容の差なんか覆しちまう男がいると」
その男とは、もちろん李牧です。
バミュウが確認します。
媧燐は分析を続けます。
「間違いなく荒れるぞ・・・・この戦いと」
そして媧燐は重要なことを言います。
戦場に足を踏み入れず、勝利の瞬間だけを狙う、媧燐らしい現実主義です。
項翼・白麗軍を南への遠征から引き上げさせ、凡城辺りまで北上させる準備を始めます。
武南平原でフィゴ王ダントが大活躍
各地で戦闘が一斉に始まった中、南端の楊端和軍がいる武南平原の描写に移ります。
楊端和に良いところを見せたいという強いモチベーションを持つフィゴ王・ダントが先鋒として立ち上がります。
ダントは宣言しました。
鎧をつけず、己の肉体一つで戦う山の民特有の荒々しい戦い方で、趙兵を蹴散らします。
まさに獅子奮迅の活躍です。
趙軍の第一陣は、ダントの勢いに圧倒されて崩壊しかけていました。
趙兵からは戸惑いの声が上がります。
しかし、その時ダントは異変を感じ取ります。
中華十弓・青華雲の登場
趙軍の第一陣が崩壊しかけたその瞬間、兵たちの背後から不穏な気配を纏った弓使いが戦場に姿を現します。
煌びやかな鎧をまとったその人物は、まるで戦場の空気そのものを支配するかのような佇まいです。
この弓使いは、趙の中華十弓の一人である青華雲である可能性が非常に高いです。
青華雲は過去に名前と横顔だけが紹介されていた、魏の馬朱離、燕の仙手備と並ぶ現存するトップクラスの弓使いです。
肉弾戦を誇りとするダントにとって、遠距離から攻撃してくる弓使いは致命的な天敵です。
李牧が山の民対策として仕込んだ存在であることは間違いないでしょう。
ダントは命を賭して楊端和を支えるべく、弓使いを欺くように前進し続けます。
855話につづく
キングダムネタバレ考察|854話の感想と考察
今回の854話は、南北で一斉に戦いが始まるという、まさに史上最大規模の決戦の幕開けでした。
総勢100万人規模の戦闘が同時に展開するという前代未聞の大戦です。
特に印象的だったのは、昌平君の戦略解説です。
どの軍も主攻にも助攻にもなれるという柔軟な体制。
本営が細かく戦略を決めなくても、各将が戦いの流れの中で役割を察して遂行する力を持っているという、秦軍の成長が表れていました。
李牧からすれば押さえ所を固定できず、最も守りづらい戦いが続くことになります。
また、各国の反応も興味深かったですね。
魏の呉鳳明は「軍容では秦軍が勝っている」と分析しながらも、王賁・蒙恬・李信という若き三将の成長を認めざるを得ない状況です。
一方、楚の媧燐は「長引けば長引くほど笑うのは楚」と冷静に分析。
戦場に足を踏み入れず、勝利の瞬間だけを狙うという、媧燐らしい現実主義です。
そして何より、フィゴ王ダントの活躍と青華雲の登場が大きな見どころでした。
ダントは鎧もつけず、己の肉体一つで趙軍の第一陣を崩壊寸前まで追い込みました。
しかし、そこに現れた煌びやかな鎧をまとった弓使い・青華雲。
肉弾戦を誇りとするダントにとって、遠距離から攻撃してくる弓使いは致命的な天敵です。
李牧が山の民対策として青華雲を配置したことは間違いなく、ダントに死亡フラグが立ってしまいました。
さて、今回は「一斉開戦」と「李牧の守りづらい戦い」が描かれました。
ここでまとめておきましょう!
各戦場の対決構図について
今回明らかになった各戦場の対決構図をまとめます。
風現平野では、蒙恬率いる楽華軍が骨珉伯と馬風慈の連合軍と対峙。
蒙恬は楽華軍がこの大戦の主攻になると確信し、突撃を開始しました。
龍慶平原では、王賁率いる玉鳳軍が霊咒公軍と激突。
弁狼平原では、録嗚未軍が顔聚軍と真正面から激突。
歴馬平原では、王翦軍が司馬尚軍と対峙し、前回の敗北の雪辱戦となる因縁の対決が始まりました。
獄砂平原では、羌瘣軍が紀彗軍と馬呈軍の連合軍と激突。
羌瘣軍は2万、対する紀彗・馬呈連合軍は計5万で、完全に兵力差で劣勢です。
武南平原では、楊端和軍が舜水樹軍と馬南慈軍と対峙。
南端のこの戦場が、開戦初日から戦局が大きく揺らぐことになりそうです。
李牧の戦術の恐ろしさ
今回の戦いで改めて感じたのは、李牧の戦術の精密さです。
山の民対策として青華雲を配置し、肉弾戦が得意なダントに対して遠距離攻撃という天敵をぶつける。
全てが計算通りという展開。
昌平君が言う通り、秦軍は「押さえ所を固定できず、最も守りづらい戦い」を李牧に強いていますが、李牧もまた各戦場に的確な対策を仕込んでいます。
この李牧の策略によって、各戦場がどう動くのか。
特に武南平原の楊端和軍は、開戦早々に大きな危機を迎えることになりそうです。
キングダムネタバレ854話|アースの感想
蒙恬が「楽華がこの大戦の主攻になる」と宣言したシーン、めっちゃ熱かったです。
王都・邯鄲に最も近い好立地という持ち場に恵まれたことを冷静に判断し、自信を持って突撃開始。
蒙恬の成長が感じられました。
そして呉鳳明が「王賁・蒙恬・李信の将の成長がことさら大きい」と認めざるを得ない状況。
敵国の宰相にまで認められるって、若き三将の成長がすごいですよね。
媧燐の「長引けば長引くほど笑うのは楚」という冷静な分析も、いかにも媧燐らしい。
戦場に足を踏み入れず、勝利の瞬間だけを狙うって、ずるいけど賢いですよね。
でも一番気になるのは、やっぱりダントです。
「楊端和は俺の女だ」って宣言して、鎧もつけずに趙軍をボコボコにする姿、めっちゃカッコよかった。
でも青華雲が登場して、ダントに死亡フラグが立ってしまったのが不安すぎます。
肉弾戦が得意なダントに対して、遠距離攻撃の弓使いって、完全に天敵じゃないですか。
李牧の山の民対策、恐ろしすぎます。
はてさてダントは青華雲の攻撃を避けられるのでしょうか。
羌瘣は兵力差をどう覆すのか。
王翦は司馬尚に対してどんな策を仕掛けるのか。
次号が待ち遠しくて何も手につきません。
どうなるのか予想やご意見ぜひ教えて下さい!
キングダムネタバレ854話予想!青華雲はダントを討つのか?
今回の武南平原で、フィゴ王ダントに死亡フラグが立ってしまいました。
肉弾戦を誇りとするダントにとって、遠距離から攻撃してくる弓使い・青華雲は致命的な天敵です。
李牧が山の民対策として青華雲を配置したことは間違いなく、ダントは大きな危機に直面しています。
しかし、ダントは命を賭して楊端和を支えるべく、弓使いを欺くように前進し続けています。
ダントの機転と山の民特有の身体能力で、青華雲の攻撃を避ける可能性もあるでしょう。
また、バジオウやタジフら山の民の仲間たちが、ダントを助ける展開も考えられます。
ただし、李牧が青華雲を配置した以上、山の民に対して何らかの大きな打撃を与える展開は避けられないでしょう。
一方、羌瘣軍は兵力差で劣勢です。
羌瘣軍は2万、対する紀彗・馬呈連合軍は計5万。
羌瘣は持ち前の機動力で翻弄を試みていますが、この兵力差をどう覆すのか。
そして王翦は司馬尚との雪辱戦に臨んでいます。
王翦はすぐには先手を取らず、司馬尚の戦略眼を測るように静かな布陣を見せました。
前回の敗北を踏まえ、王翦がどんな策を仕掛けるのか注目です。
次回855話で、各戦場の戦いがどう展開するのか。
特に武南平原のダントと青華雲の対決は見逃せません!
予想ここまで!
次回の855話は絶対に見逃せませんよ!
ダントは青華雲の攻撃を避けられるのか?それとも…
次週の855話、超要チェックですよ!







