原作でも実写でも大人気な王騎(おうき)将軍の副官 騰(とう)。
その実力は王騎将軍曰く「匹敵」しており、キャラの濃さも「匹敵している」と言うファンも多いでしょう(笑)
たしかに強面な録嗚未の前で「録嗚未の死が無駄にならなくてよかった」と言ったり(笑)、蒙武の前で「コココ」と王騎将軍のマネをできるのは、数多いキングダムキャラの中でも彼だけでしょう(笑)
そんな個性強い騰将軍とは、そもそも実在する人物なのでしょうか?
史実にも登場して「コココ」とか「ファルファルファル」とか言っていたのでしょうか?
さらに、韓攻略戦後に衝撃の決断を下した騰の最新状況や、予想される最期、そして史実での活躍まで、徹底的に検証してみました!
◆騰(とう)プロフィール
| 項目 | 内容 |
| 名前 | 騰(とう) |
| 所属 | 秦国 |
| 役職 | 王騎軍副官→将軍→六大将軍第二将→内史 |
| 武力 | 96 |
| 指揮力 | 94 |
| 知力 | 94 |
| 経験値 | S |
| 初登場 | 5巻前後(王弟・成蟜の反乱編) |
| 特徴 | ポーカーフェイス、クルンとした髭、「ファルファル」の剣技 |
| 声優 | 加藤亮夫 |
| 実写キャスト | 要潤 |
| 史実 | 実在(内史騰として記録あり) |
◆騰は死亡する?生存している?
現在の状況:内史として健在
最新話(77巻・856話)時点において、騰は生存しています。
韓攻略戦を完遂した後、騰は自ら六大将軍の座を降りることを決意しました。
「ここで一度、剣を置こうと思う」という言葉と共に、武将から文官へと転身したのです。
これにより、騰は「内史騰」として韓の旧領を統治する立場に回り、秦の東方経営を担う存在となりました。
予想される最期
史実では騰(内史騰)は紀元前230年に韓を滅ぼし、その後も秦の高官として政務を担当し続けたとされています。
紀元前221年の中華統一時には、国の都・咸陽で政務を行う「内史」という高い地位に任命され、そのまま高齢になるまで政務を担当し続けたという記録があります。
史実では騰の死亡の記録が明確に残っていないため、作品内でどのように描かれるかは作者次第の部分が大きいと言えます。
ただし、武将としての第一線からは退いているため、戦場で討ち取られるような劇的な最期ではなく、統治者として穏やかに退場する可能性が高いでしょう。
◆キングダムのキャラクター「騰」とは

初登場から現在まで
キングダムの人気キャラ「ファルファル」でおなじみの騰は、秦国六代将軍「王騎将軍」の副官として第4巻の35話で初登場しました。
初登場時から、ちょび髭にパーマの長髪という欧風の風貌でかなり印象が強いキャラクターです。
この時は、真面目な執事のようなキャラクターかなと思っていましたが…
初登場で王騎から「右龍を見に行け。」と指示されたのにも他の者に行かせようとし(笑)
「あなたに言ってます」と言われた追加で言われたのに結局行かず(笑)
そして咸陽から撤収する時も一人壁を這っている、ふざけた騰(笑)
さらに、物語が進んでいくごとに独特の言い回しや真面目な顔で小ボケを入れていくような読者から愛されるようなキャラクターになっていきます。
飄々としたユーモアの持ち主
騰の最大の魅力は、圧倒的な実力と飄々とした性格のギャップにあります。
常にポーカーフェイスを崩さず、真顔でボケたり冗談を好んだりする、かなりお茶目な一面を持っています。
初登場時には王騎からの偵察命令を部下に押し付けようとしたり、風呂場でクロールで泳いでいたり、死んでいない録嗚未を勝手に死んだことにしていたりと、実力と地位に似合わない愉快な性格の持ち主です。
王騎亡き後に王騎のモノマネをしながら蒙武に話しかけるシーンなど、独特のユーモアセンスが光ります。
王騎への忠義と自負
一方で、「中華をまたにかけた大将軍王騎を傍らで支え続けた自負がある」という言葉に表れるように、天下の大将軍に対する誇りと自負を持ち続けています。
王騎の死に際しても涙を見せず拳を強く握りしめる姿が描かれ、その後は王騎の意志と軍を引き継ぎ、大将軍として覚醒しました。
この二面性こそが騰の人間的魅力となっています。
実務家・現実主義者
王騎亡き後、感情ではなく「王騎軍をどう生かすか」「秦の戦略全体でどう動くか」を一貫して優先するタイプとして描かれています。
部下想いで若手の成長を重視し、合従軍戦で王賁・蒙恬らを積極的に登用し、著雍戦では王賁の作戦を採用するなど、「若手に任せて伸ばす」スタイルを貫いています。
韓攻略戦でも、秦16万の大軍の副将に信を抜擢し、大きな責任を与えて一気に成長させました。
◆騰の強さ・能力を徹底分析
公式ガイドブックによる能力値
『キングダム公式ガイドブック』によると、騰の能力値は非常に高く設定されています。
**武力96**という数値は、作中トップクラスの武将たちと肩を並べる水準です。
**指揮力94**は、大軍を率いる大将軍として申し分ない数値であり、**知力94**も軍師級の頭脳を持つことを示しています。
そして**経験値S**という評価は、長年にわたって王騎の傍らで戦ってきた豊富な実戦経験を裏付けています。
「ファルファル」の剣技
騰の代名詞とも言えるのが、剣を振るう際に「ファルファルファル」という独特の擬音が鳴る高速剣技です。
この擬音は単なる演出ではなく、「螺旋(らせん)」と呼ばれる高等剣術によって生じる風切り音であることが、単行本54・55巻の巻末おまけ漫画『ファルファル伝説』にて明かされています。
幼少期の騰には剣術の師匠が存在し、師から「螺旋を極め、お前の最高のファルファルの音色を見つけるのだ」という教えを受けたことが、この独特な剣技のルーツとなっています。
その速度は凄まじく、またたく間に敵兵の群れを斬り伏せます。
攻撃のバリエーションによって「フェル」「フォル」「ファルル」などの派生音も存在し、騰の剣技がさらに進化していることを示唆しています。
武将としての実力
馬陽の戦いでは、情報不足だった趙側から「王騎が隠していた化け物」と評されるレベルの武力を持つことが明らかになりました。
合従軍・函谷関戦では、楚の猛将・臨武君と正面から一騎打ちし、堂々と勝利しています。
「私は元から強い」「私には中華をまたにかけた大将軍 王騎を傍らで支え続けた自負がある」という言葉は、自身の強さの根源を語った名言として記憶に残ります。
剣術は大振りに見えて無駄がなく、一撃の重さで敵将をねじ伏せるスタイルで、馬上戦・歩兵戦ともに高水準の実力を誇ります。
用兵・戦略眼
王騎軍全体を引き継いだ後は、前線の切り込みよりも「どこで誰をどう使うか」という采配の巧みさが目立つようになりました。
山陽平定戦・著雍戦・韓攻略戦などで、若手将の特性を見抜き、適材適所に配置する能力を発揮しています。
韓英呈平原戦では、16万規模の大軍を率いながら、敵総大将・洛亜完を本軍ごと押し潰す総合的な布陣を組んでいます。
魏の総大将・呉鳳明からも「軍師級の頭脳を持ちながら、武の牽引でも軍を強化させる力を持つ」と、その隙のなさを高く評価されています。
大将軍としての「バランサー」
王騎や蒙武のような圧倒的カリスマ・怪力型とも、王翦・李牧のような徹底した策士型とも異なり、「武と策のバランス」が非常に良いタイプです。
だからこそ、王騎亡き後の旧王騎軍をまとめ、かつ六将として秦全体のバランスを取る役割を担えたと言えるでしょう。
◆騰の重要な関係性
王騎との絆
主従であり、長年にわたって右腕として仕えた存在が王騎です。
王弟反乱時から常に王騎の側におり、戦場でも私生活でも「ツッコミ役」「抑え役」として描かれています。
王騎戦死後は軍と遺志を継承し、「王騎軍の大将軍」として戦場に立つことになりました。
二人の関係は単なる上司と部下の枠を超えた圧倒的な信頼と連携に支えられており、騰は王騎の指導を受け、その戦略や戦術を学び取ってきました。
王騎が信に矛を託した理由も、騰が傍らで支え続けてきたからこそ理解できるものがあります。
旧王騎軍の面々
録嗚未・干央・隆国など、いずれもかつては王騎軍の軍長クラスで、騰とは同僚に近い関係です。
王騎亡き後も騰の傘下で戦っていますが、南陽戦では長官・剛京との対立の際に彼らの本音(騰をまだ”王騎軍の代表”として見ている)が垣間見えました。
彼らが自前の将軍として自立していくことが、騰が「王騎軍の大将軍」を降りる決意にも繋がっていきます。
特に録嗚未は騰から頻繁にいじられる関係性が描かれており、騰が録嗚未を勝手に死んだことにしたり、様々なボケで彼をいじったりする場面は、ファンの間でも人気のコンテンツとなっています。
信(李信)との関係
初期は王騎軍の「変わったおっさん」的存在として、信を軽くあしらいつつも、潜在能力を評価していた描写が多々あります。
王騎戦死後も何度も同じ戦場に立ち、著雍戦や韓攻略戦で飛信隊を重用してきました。
韓英呈平原戦では開戦の檄の最中に、飛信隊隊長・李信を突如「秦軍16万の副将」に指名し、全軍の前でその器を認めています。
博王(博王谷)の首級を信が挙げたことで、王騎の矛が「真の大将軍」の手に渡ったと騰自身が確信し、自身の役割の一区切りを悟る流れになっています。
王賁・蒙恬との関係
合従軍戦で若くして登用され、騰軍の一部戦線を任されるなど、早い段階から新世代の主力として扱われています。
著雍戦では王賁の作戦を採用するなど、単なる血筋ではなく「能力のある若手」として公平に評価しています。
寧姫との関係
韓攻略戦〜韓滅亡編で描かれた、韓側のキーキャラクターが寧姫です。
韓王安の娘で25歳の公主である寧姫は、かつて縁談が二度流れたことから、国内では「呪われた公主」と噂されていました。
儒家思想が強い韓において法家思想を掲げる彼女は、公主でありながら政治的に孤立した存在でした。
自ら命を絶とうとした寧姫に対し、騰は「必要とあらばこの騰、一生涯をかけてあなた様を支えます」と語りかけました。
これは単なる慰めではなく、秦の中華統一という大義を背負う男の、韓の民への責任の表明です。
騰は、韓王族を粗末に扱えば他国からの降伏が遠のくリスクを理解しており、寧姫の存在が新鄭統治に必要不可欠だと説いています。
戦場案内のために馬に同乗するシーンでは、寧が騰に向ける柔らかな表情が描かれており、彼女が騰に心を開き始めている様子が感じられます。
考察では、騰が戦後に文官へ転じる決意を固める際、「新たに支えたいと思えた主(寧姫)」の存在も心理的な後押しになったと解釈されています。
◆キングダムの騰と史実の違い
王騎軍の副官という設定
キングダムでは王騎将軍の副官として長年仕えておりましたが、史実から見ると、「王騎将軍の副官」というポジションではありません。
というか、騰と王騎将軍の接点は全く見受けられません!
「キングダム」オリジナルの設定のようですね。
王騎死亡後に将軍になった経緯
キングダムでは王騎将軍からあとを託され騰は王騎将軍の死後、王騎軍を率いる将軍となります。
その際に普段から感情を表に出さない騰が、握った拳から血があふれていたシーンは王騎将軍への忠誠心が垣間見えるとても感動的な場面でした。
史実の騰はもともと韓の将であり、紀元前230年に秦国に降っています。
そして紀元前231年に韓を攻める時に軍を率いていたので、この時には将軍となっていたのかもしれません。
ちなみに現在の展開は原作が紀元前235年なので、この時点まだ史実で騰は、全く登場していません。
そういう意味で、現在までの騰は全てキングダムオリジナルと言えるでしょう!
おそらくは韓を滅ぼすところに照準を合わせてキャラを際立たせているのかな、と思われます。
史実の騰はどのような人物だったのか
史実では「内史騰」として記載されております。
紀元前231年に韓の領地を奪った秦国に降った将として史実には登場し、翌年紀元前230年に韓を滅ぼした将として記載されています。
紀元前221年には秦が中華を統一し、この時に騰は「内史」に任命されます。
内史とは文官や官僚を指す役職なので、昌文君みたいな立場になるのでしょう。
その年に死亡したような記載があります。
◆史実を元に騰の今後を考察
まず史実通り紀元前230年に韓を滅ぼす際には、キングダムでも騰がこの役割を担う事になるでしょう。
この韓攻略編が騰の最大の見せ場となり、大活躍すると予想できますよ!
そして紀元前229年に楚を攻略するため、南郡の駐在員になることが史実として記載されています。
そこから、楚を攻略するため時にも活躍するのでは、と予想できます!
ただ楚を滅ぼすのは史実的には王翦なので、ここは王翦のサブとして活躍するのかなとイメージできます。
紀元前221年、秦が六国を統一する際に内史に任命されたその年に死亡した、と記載があるので楚攻略が最後の見せ場になるかもですね。
除の伏線回収についても考察!

騰が滅ぼす韓は、24巻257話に登場し「徐」という国を攻めていました。
たまたま通りがかった飛信隊が子供も関係なく虐殺している韓に怒りを攻め、結果「徐」を助けています。
ここで伏線と思わしき場面が登場しており、信は徐の長老から「このご恩は決して忘れない」と言われ、助けた秀とお互い「忘れない」言い合っています。
管理人アースにはこの回を読み、「このシーンを忘れるな」と原先生から言われているような気がしましたよ(笑)
この徐を攻めていたのは、韓です。
騰が韓を滅ぼす際に、信が助けた除の国が登場するかもしれませんね!
管理人アースは徐が登場するのは韓が滅びる時か、信が負けた戦である楚攻めの時にピンチな信を救う為に登場するのではとイメージしています。
◆騰の年表(巻ベース)
| 巻数 | 出来事 | 備考 |
| 5巻前後 | 王弟・成蟜の反乱編で初登場。王騎の副官として活躍 | 飄々とした性格が強調される |
| 11-16巻 | 馬陽防衛戦。王騎軍副官として趙軍と激突 | 「王騎が隠していた化け物」と評される |
| 16巻 | 王騎の最後を看取り、王騎軍を継承 | 大将軍への道が始まる |
| 17-24巻 | 山陽平定戦。魏大将軍・廉頗との攻防 | 旧王騎軍の力を示す |
| 26-34巻 | 合従軍編・函谷関攻防戦。楚の臨武君を撃破 | 大将軍としての力量を証明 |
| 30-40巻台 | 著雍攻防戦。王賁の作戦を採用 | 若手を前面に押し出す采配 |
| 不明 | 六大将軍制度復活後、第二将に任命 | 新生六大将軍の一人に |
| 70-77巻 | 韓攻略戦。英呈平原戦で秦16万の総大将 | 信を副将に抜擢 |
| 77巻 | 韓滅亡後、六大将軍を降板。内史騰へ転身 | 「剣を置く」決意 |
◆騰の名場面を紹介!
26巻合従軍編での名場面

合従軍編序盤での臨武君との戦い。
楚の将軍である臨武君はかなり強く、録嗚未をもボロボロにするほどの実力者でした。
少しの傷を負い「いや、強かったぞ貴様は。」「ここまで傷を負ったのは久々だ」と、録嗚未に言い捨てるほどの強さを見せていました。
その臨武君を遠目で確認した騰。
「ファルファル」で、一気に臨武君へと迫ります。
そのまま臨武君をもファルファルするかと思われましたが、さすがに臨武君には打ち返されます。
そのまま打ち合う、騰と臨武君。
次第に臨武君は押され出し、そのまま騰に討ち取られます。
撃った後に、臨武君へ向けつぶやく騰。
「しかし強かったのは認めよう」
「これほど血を流したのは久しい」
「あの世で同金・鱗坊・録嗚未と酒でも飲むがいい」
カッコいいだけではなく、むっちゃシャレが聞いた名言ですよね(笑)
「強かったのは」は臨武君が録嗚未へ言っていたセリフへのお返しですし、サラリと録嗚未があの世へ行っている事にしているのも笑えます(笑)
強さだけではなくさり気なくボケを入れているこの場面は、間違いなく騰らしい名場面でしょう!(笑)
61巻什虎城戦編での名場面

同盟を結んだ魏の呉鳳明の、助攻のおかげで勝てた什虎城戦。
什虎軍と楚軍を退けた後、什虎城で呉鳳明と騰は相対します。
まずは、呉鳳明に礼を述べる騰。
しかし「策の礼は貰うが同盟の礼は不要だ」と、呉鳳明は返します。
魏には同盟の利があるが、秦には無いと続けて言い切る呉鳳明。
「お前たちは結局」
「李牧に勝てない」
その言葉を聞き、一歩前へ出る騰。
明を見下ろし、威圧するように言います。
「李牧が戻ろうと 3年で趙を取る」
「その次はお前たちだ。覚悟しておけ」
「呉鳳明」
珍しくギャグも無く、まともに威圧する騰将軍。
いつもどこかふざけている騰ですが、ここはビシッとカッコよく決めていますよね!
真面目な顔をして威圧していてもカッコいい、騰の名場面でした!\(^o^)/
馬陽戦での「化け物」評価
馬陽の戦いで、蒙武と並んで前線を切り裂き、趙荘から「隠された化け物」と評されるシーンは、騰の真の実力が初めて明らかになった瞬間でした。
それまで王騎の影に隠れていた騰が、いかに強力な武将であるかを証明した名場面です。
信を副将に任命する檄
韓英呈平原戦の開戦前、檄の中で「李信を秦軍16万の副将に任ずる」と宣言し、信に大将軍の器を見たことを全軍の前で示すシーンは、騰の若手への信頼を象徴する場面です。
この決断が、信のさらなる成長を促すことになります。
博王谷陥落後の悟り
博王谷陥落の報を聞き、王騎の矛が「真の大将軍」の手に渡ったと悟って空を仰ぐ場面は、騰自身の物語のゴールを示唆する名カットとなっています。
王騎から託された使命を果たし、次世代に道を譲る決意が伝わってくる感動的なシーンです。
「剣を置く」決意表明
韓滅亡直後、「私はここで一度、剣を置こうと思う」と言い、六将を自ら辞して内史へ転じる決意表明は、騰というキャラクターの完成形を示す重要な場面です。
武将から統治者へ──騰の新たな戦いが始まる瞬間でした。
30メートルの城壁からのダイブ
843話では、騰が寧姫を救うために30メートル以上の高さの城壁から飛び降りるという衝撃的な場面が描かれました。
寧姫を抱えながらクレーターを作りつつも無傷で着地した騰に対し、録嗚未が「お前の身体はどうなってんだ!?」とツッコミを入れる場面は、読者の気持ちを代弁する名シーンとなっています。
この「六将の力」を象徴する瞬間は、彼の覚悟と責任感、そして王騎の側近だった男のフィジカルと精神力を如実に示しています。
◆騰の役割・立ち位置
「旧世代の怪物」と「新世代のエース」の橋渡し
騰は王騎直系の右腕として旧六大将軍時代を知る一方で、信・王賁・蒙恬ら新世代を育てて送り出す役割を担っています。
この橋渡し役としての立ち位置が、物語における騰の重要性を示しています。
王騎の遺志と軍の「管理人」
王騎亡き後、感情的な殉死ではなく「王騎軍とその遺産をどう次世代に繋ぐか」を選択した人物が騰です。
そのため、王騎が信に託した矛の意味をずっと考え続け、その行き先(=本物の大将軍の誕生)を見届けることを自身の使命としてきました。
六大将軍制度の「試運転役」
復活した六将の枠に現役ベテランとして入り、六将制度が再び暴走せず機能するよう、調整役を担ったと解釈できます。
その役割を果たし終えた今、騰は次のステージへと進んだのです。
「大将軍とは何か」を示すもう一つの答え
王騎型(豪放磊落・血沸き肉躍る戦場の覇者)に対し、騰は「国全体のために、時に剣を置くことも選べる大将軍」という別解を示しています。
韓を滅ぼし、その統治の責任を自ら引き受けて内史となる流れは、「勝ったあと」を描く役割でもあります。
これこそが、騰が物語に果たした最も重要な役割と言えるでしょう。
◆声優・アニメ/実写情報
アニメ版声優:加藤亮夫さん
アニメ版『キングダム』で騰を演じているのは声優の加藤亮夫さんです。
加藤さんは騰の飄々とした雰囲気と、戦場での威厳を見事に演じ分けています。
騰はTVアニメ版『キングダム』第1シリーズ以降も継続的に登場し、王弟反乱編・馬陽防衛戦・合従軍編など主要エピソードで描かれています。
実写映画版:要潤さん
実写映画版では、俳優の要潤さんが騰を演じています。
要さんは王騎の死後を支える知将としての威厳や冷静さ、そして時折見せる飄々としたユーモアを余すところなく表現しています。
原作の独特な雰囲気を見事に再現した演技が高く評価されています。
◆騰FAQ(よくある質問)
Q1: 騰は最終的に死ぬのですか?(77巻・856話時点)
77巻・856話時点では死亡しておらず、生存しています。
韓滅亡後に六大将軍を自ら降り、「内史騰」として韓統治を担う立場に回っています。
史実でも騰の死亡の記録が明確に残っていないため、作品内でどのように描かれるかは作者次第の部分が大きいと言えます。
Q2: なぜ六大将軍をやめてしまったのですか?
王騎から託された「王騎軍」と「中華を統べる意志」を背負って戦ってきましたが、韓滅亡・博王討ち取りを通じて「王騎の矛が本物の大将軍(信)の手に渡った」と確信したためです。
それを自身の「王騎軍の大将軍」としてのゴールと捉え、以後は武将ではなく内史として韓統治の責任を負う道を選びました。
Q3: 騰の「ファルファル」とは何ですか?
騰が剣を振るう際に鳴る独特の擬音です。
これは「螺旋(らせん)」と呼ばれる高等剣術によって生じる風切り音であることが明かされています。
幼少期の師匠から「螺旋を極め、お前の最高のファルファルの音色を見つけるのだ」という教えを受けたことが、この独特な剣技のルーツとなっています。
Q4: 騰は史実に実在した人物ですか?
はい、史実でも「騰(内史騰)」は秦の将軍として記録されています。
韓を滅ぼし、その後「内史騰」として韓の旧領を統治した人物として知られています。
漫画版の騰も、韓滅亡編〜内史転身という大きな流れは史実をなぞっており、性格や細かなエピソードがフィクションで肉付けされている形です。
Q5: 騰の能力値はどれくらいですか?
公式ガイドブックによると、武力96、指揮力94、知力94、経験値Sという非常に高い数値です。
特に武力96は作中トップクラスの武将たちと肩を並べる水準となっています。
Q6: 今後、再び戦場に出てくる可能性はありますか?
77巻・856話時点では明確な予告はありませんが、史実上はなお秦の東方経営に深く関わる立場であり、完全なフェードアウトではありません。
将軍として最前線に立たずとも、内史として政略面で再登場したり、信たち新世代への助言役として物語に関与してくる余地は大きいでしょう。
Q7: 騰の「大将軍観」は王騎とどう違いますか?
王騎は昭王の六将時代に「血沸き肉躍る世界」を望み、大将軍として戦場で暴れ回ること自体を楽しんだ武人でした。
一方、騰は王騎の右腕としてその全盛期を支えつつも、自分が六将になってからは「国や時代に合わせた大将軍像」を模索し、最終的には剣を置いてでも国のために責任を取る道を選びました。
この違いこそが、騰というキャラクターの深さを物語っています。
Q8: 寧姫と騰は将来結婚するのですか?
作中では明確に描かれていませんが、ファンの間では「騰と寧は将来結婚するのでは?」という期待の声が上がっています。
騰が寧姫に対して「必要とあらばこの騰、一生涯をかけてあなた様を支えます」と語りかけたシーンや、寧が騰に向ける柔らかな表情などから、二人の間に特別な関係性が生まれていることは確かです。
今後の展開に注目したいところです。






