先日、ダイヤモンド・オンラインにて、「月刊少年マガジン」編集長林田慎一郎氏と「増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」の著者である松村嘉浩氏による対談内容の後編が公開されました。
【『進撃の巨人』は才能が生み、『別冊少年マガジン』は時代の必然が生んだ】と銘打たれた記事に目が奪われ読んだのですが、非常に興味深い内容となっていました!
我々が魅了されて止まない「進撃の巨人」は、なぜ面白いのか?
プロである編集者でも分からないとカミングアウトされている、この記事内容を踏まえ、検証してみましょう!
◆林田慎一郎氏と松村嘉浩氏の対談内容とは?

マンガ好きなら誰もが知っているであろう、現在話題沸騰中の「四月は君の嘘」、「鉄拳チンミ」など連載中の「月刊少年マガジン」編集長林田慎一郎氏と松村嘉浩氏の対談は、前篇・後篇と2回に踏まえ、公開されています。
前篇「月刊少年マガジン」編集長の心をつかんだ異色の経済書は、どのように生まれたか?と後篇『進撃の巨人』は才能が生み、「別冊少年マガジン」は時代の必然が生んだにて対談内容が見られますので、興味のある方は見てみてください!
前編@対談の内容!
前篇は、個人的に松村嘉浩氏が書かれた「増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」を読んだ林田慎一郎氏の著書への絶賛と、松村氏がこの本を書かれたキッカケについて書かれています。
本を書くキッカケとなったのは「現在の金融政策にキレたから」であり、「みんなが感じている漠然とした不安の本質は何なのかを論理的に解説して、若者にメッセージを送ってみようと思ったこと」であると松村氏は説明しています。
この本のタイトルにもなっている「不安」について語る上で「進撃の巨人」は欠かせないファクターとなっていると松村氏は語っており、後篇にて解説がされます。
後篇@対談の内容!
後篇では本の重要なモチーフとなった「進撃の巨人」について、林田編集長が語ります。
林田編集長は「当初、作者の才能は大いに評価しつつも、『進撃の巨人』が売れるかどうかには、懐疑的な人間も多くいた」と語り「なぜ売れているのかわからない作品」と話します。
その中でも「担当編集者川窪慎太郎氏は、諫山さんがただものではないと見抜いており、初手から『初版100万部売ろう』と話していた」と語ります。
その上で、林田編集長は、「進撃の巨人」が売れた要素として、「アンチ・マガジン」としての「別冊少年マガジン」が創刊されるタイミングだったことと、時代を反映している作品であったことを挙げています。
ただ、現在でも「進撃の巨人」が売れた理由は業界として研究の対象になっており、編集者側としては、なんとかして読み解いてヒットの理由を見つけたい一心で、研究をしているようです。
その後、経済学の話を踏まえ、終わっています。
◆対談を読んだ感想と考察!

経済学の話が多い中にも、「進撃の巨人」という作品が売れた理由の考察が非常に面白く、興味深く読めました!
ぜひ、みなさんにもこの対談を読んでもらいたいです。
前後編とも、それほど量も多くないので、すんなりと読めると思いますよ!
お時間が無い方は、後篇の前半部分だけでも面白く読めると思います。
管理人アースが面白く感じたのは「現代を象徴している『不安』や『閉塞感』が最近の『生き残りゲーム系作品』の流行の理由であり、『進撃の巨人』が売れている理由のひとつでもある」という部分と「アンチ・マガジン」として「別冊少年マガジン」が創刊されるタイミングでは無かったら「進撃の巨人」は世に出ていなかったかもしれない」という部分です。
たしかに現代には「未来に対する不安」や「閉塞感」が蔓延しているように感じられます。
この「不安」や「閉塞感」が、「進撃の巨人」の作品のイメージとして、時代に合っていたという事でしょうね。
ただ、諫山先生はそのような時代に合わせるという理由で、「進撃の巨人」の舞台設定をした訳ではないと林田編集長は語っていますし、諫山先生の自然体で生まれたということのようです。
「進撃の巨人」は、まさに諫山先生の才能が生んだ作品であり、受け皿となった「別冊少年マガジン」は時代が生んだということでしょう!
しかし、別冊少年マガジンが創刊されていなく、「進撃の巨人」は世に出なかった可能性があったと思うとゾッとしますよね…(・_・;)
最もゾッとするのは、講談社でしょうが…(笑)
そして、プロの編集者でも「進撃の巨人」がヒットした理由が分からないというのは驚きでした。
それくらい不思議な作品なのでしょうね!
諫山先生の才能と感性が、特別なのだろうなと察せられるエピソードでした!
バック氏の慧眼も感じられますよね!
この辺りも面白く書かれていますので、ぜひ後篇だけでも読んでみてください!
作品内容とは違った「進撃の巨人」の凄さが分かる対談内容となっていました!






