「進撃の巨人」が歴史に残る物語であることは間違いでしょう。
この秀逸な作品をリアルタイムで追いかけられる幸せを、管理人アースはいつも噛み締めています。
日々、ほぼ毎日最新話の考察を続けていますが、ここで一度距離を取り、物語を俯瞰してみたいと思います。
これまでの物語の移り変わりを主人公エレンを通して見てみようかなと。
そう考えたのは「初期のエレン」と「マーレ編に入ってからのエレン」があまりにも変わってしまった事に起因していますが、その変化には何か大きな意味があるように感じたのです。
そこから物語全体の構造が見えて来るでしょうし、自然に諫山先生の狙いも見えてくるのではないかなと!
その狙いとは何なのか?
検証してみましょう!
◆第121話までの主人公エレンのポジションを検証!

「進撃の巨人」の主人公であるエレンは、当初は物語の中でも最も「世界を知らない存在」でした。
父グリシャは物語当初から世界を知っており、その背中を追いかける事からエレンの物語は始まります。
むしろエレンの周囲にいるライナーやベルトルト、アニは巨人の正体が人間であることはもちろん、9つ巨人の力の存在も知っており、エレンより練度が高く使いこなせていました。
ユミルも同じく「世界」を知っていました。
ウォール教のニック司祭もそうですし、兵団内でもその頭脳からエルヴィンやハンジ達の方がエレンよりも世界の真実に迫っていました。
初期の頃は、エレンよりもむしろ読者の方が世界の真実を知っている状態でしたよね!
物語の構造として、エレンが世界の真実に迫る事で話が進行して行く、という形を取っていました。
つまり、世界の情報が明らかになりエレンが情報を得ていくことにより物語も進行して行く、という展開でした。
ここで「進撃の巨人」の物語の進行とエレンのポジションを比較してみましょう!
| 章 | 話数 | 内容 | エレンのポジション |
| シガンシナ区陥落編 | 第1話、第2話 | 全ての始まりとなるライナー達によるシガンシナ区襲撃。 | 何も知らない |
| トロスト区奪還作戦編 | 第3話~第18話 | エレンの初陣。初めての巨人化。人類が初めて巨人に勝利。 | 何も知らない |
| トロスト区奪還作戦編 | 第3話~第18話 | エレンの初陣。初めての巨人化。人類が初めて巨人に勝利。 | 何も知らない |
| 女型の巨人編 | 第19話~第34話 | エレンの初壁外遠征。初登場した女型の巨人の捕獲まで。 | 何も知らない |
| ウトガルド城攻防戦編&エレン争奪戦編 | 第35話~第50話 | 獣の巨人登場。初めての座標発動。 | 何も知らない |
| 王政編 | 第51話~第69話 | レイス家の存在が明らかとなりヒストリアが王家血統であると判明。女王就任。 | 何も知らない |
| シガンシナ区決戦編 | 第70話~第85話 | 獣の巨人率いるマーレの巨人と調査兵団が激突。エルヴィン死亡。アルミンが超大型巨人継承。グリシャの地下室回収。 | 何も知らない |
| グリシャ・ノート編 | 第86話~第90話 | グリシャの半生が明かされる。 | グリシャ、クルーガーの記憶を知りヒストリア接触で未来の記憶を知る。 |
| マーレ編 | 第91話~第105話 | マーレ側が明らかに。調査兵団がマーレを強襲。 | エレンのみが未来を知っている |
| パラディ島の3年間編 | 第106話~第108話 | 海に到着してからマーレ強襲するまでと現在のパラディ島 | エレンのみが未来を知っている |
| イェーガー編 | 第109話~第121話、125話? | エレンとジークの接触までとその後 | エレンのみが未来を知っている事が明らかとなる |
章の名称は当サイト呼称ですので、あしからずです。
この表を見ると、第85話「地下室」まではエレンが「世界を知らない主人公」であると分かりますよね。
86話「あの日」から海に到着した90話まででエレンが「世界を知らない主人公」から「全てを知る主人公」に変わる事が分かります。
そして91話から始まる「マーレ編」にて作中の登場人物はもちろん、読者もエレンの考えや目的が分からなくなります。
最初の説明通り、もともと「進撃の巨人」はエレンとともに世界の真実を追いかける物語となっていました。
しかし90話時点で、世界の真実はほぼ明らかとなります。
そして91話からは世界の真実を追いかける物語ではなく、エレンの考え、目的を考え追いかける作品に変わったと言えるのです。
物語の構造自体が大きく変わったと言えるでしょう。
管理人アースは、22巻90話で「進撃の巨人1st」という作品が最終話を迎えた、くらいに感じています。

そしてエレンのみが未来を知っている新たな物語である「進撃の巨人2nd」が91話から始まった、と認識しています。

では、なぜこのような物語の構造自体を変えるような展開をしてまで「マーレ編」を始めたのでしょうか?
諫山先生はどのような狙いを以って、このような展開にしたのか?
さらに検証してみましょう!
◆「マーレ編」以降の展開から諫山先生の狙いを予想!

「進撃の巨人」の連載が何巻まで続くか検証!にて記載していますが、諫山先生はもともと16巻くらいで物語を閉じると名言していました。
もっと言うと、もともと連載前のエレンは何も知らない主人公ではありませんでした。


自分がグリシャを捕食した事も知っていましたし、つまりは巨人の力の存在も知っていたことになります。
しかし長期連載が決まった後、巨人の力を謎にしエレンを何も知らない主人公にすることにより、物語を長期連載に耐えられるように変えたのです。
この辺りは諫山先生のインタビュー内容まとめ!でも考察していますので、見てみてください!

この改変を踏まえて考えると、もともと16巻くらいで終わるだろうと考えていた物語が現在の30巻まで続いているということは、諫山先生の中で当初と比べ、さらに何か予定が変わったと言えると考えられます。
何が変わったのか?
ここからは完全に管理人アースの妄想になりますが、もともと王政編は予定していなかったのではないでしょうか?
エレン争奪戦編後にシガンシナ区決戦編が始まり、そこから東洋の一族編で連載終了くらいの予定だったのでは、と管理人アースはイメージします。
そこに王政編、マーレ編、現在のイェーガー編が加わったため長期化しているのではないかなと。
加えた理由は「丁寧な回収のため」が大きいように感じます。
王政編でのケニーの登場によりリヴァイ兵長の過去、ミカサや兵長が強い理由が回収されました。
マーレ編は間違いなく「ライナー側を描くため」に加えたのだろう、と感じられます。
これらだけが理由ではないでしょうが、そこには「丁寧な回収」があると感じられます。
ただ、これらを描くためだけだったら「エレンだけが全てを知っている主人公」に交代する理由は無いのではと思われます。
つまり「進撃の巨人2nd」にする必要は無かったのではないかなと。
ではなぜ「進撃の巨人2nd」を始めたのか?
管理人アースは、ここに諫山先生の挑戦を見ます。
違うかもしれません。
むしろ違う可能性の方が高いかもしれませんが、諫山先生は敢えて物語の構造を変えてまで「進撃の巨人2nd」を始めたのは「新たな挑戦をするためではないか」と感じたのです。
このような構造の改変をしなくても、大人気マンガとして物語を完結できたように管理人アースには見えます。
それを敢えて大きく構造を変えてきたのには、「自分にこの構造でも物語を描けるのか」という新たな挑戦に挑むためではないのか、と察せられるのです。
もちろん物語の終着地点が見えないのでその地点に行く為に現在の構造にする必要があった可能性も十分にあるので「単に必要だった」のかもしれませんが…
管理人アースは現在最新話の展開で明らかとなった「進撃の巨人の能力」と同じで、「進撃の巨人2nd」には諫山先生の大きな挑戦を感じますよ!
今回の考察で、「『マーレ編』からエレンが全てを知る主人公に交代したのは諫山先生の新たな挑戦をするためだったから」と管理人アースは考察できました!
「進撃の巨人2nd」を始めたのは「必要なためだった」のか、「諫山先生の大きな挑戦だった」のか?
最終話で確認しなきゃですね!\(^o^)/
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