「法は願いだ」――キングダムで呂氏四柱の一人として登場する李斯(りし)が放った、この印象的な言葉を覚えていますか?
暗殺や諜報を専門とする李斯は、実は史実にも実在した超重要人物。
しかも漫画のブラックなイメージは、史実での彼の行動が元になっているのです。
法家思想を武器に秦帝国を支えた天才官僚・李斯。
その輝かしい功績の裏には、想像を絶する暗い一面が隠されていました。
この記事では、李斯の名言に込められた意味と、史実での驚くべき行動、そして最新の動向まで徹底解説します!
キングダム李斯(りし)プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 李斯(りし) |
| 初登場 | 10巻(呂不韋四柱として) 本格登場は45〜46巻(政への招聘) |
| 所属 | 元・呂不韋四柱 → 政陣営の法律顧問 → 秦右丞相 |
| 役職 | 法の番人、法家思想家、右丞相 |
| 出身 | 韓(史実準拠) |
| 専門 | 法律・制度設計・行政統治 |
| 声優 | 青木強 |
| 史実 | 実在。秦の丞相として中華統一後の法整備を主導 |
キングダム李斯(りし)とは

呂不韋四柱の一人として李斯は、10巻にて初登場します。
「法の番人」として紹介されており、法の専門家としての役割を担っていましたが、すぐにイメージは払拭されます。
初登場での嬴政への謁見が終わった後の呂不韋に「刺客に頼らずに私に言ってもらえれば確実だった」と言う李斯。
つまり、「嬴政暗殺は私に言ってくれれば良かったのに」と言ったのです。
これ、むちゃくちゃダークな発言ですよね!
加冠していなかったとは言え、王の暗殺さえも「確実にできる」と言う李斯は、初っ端から裏の稼業を匂わせます。
その後もこの言葉通り朱凶らを使い、「諜報」「暗殺」で活躍します。
合従軍編30巻で麃公将軍が死亡しいよいよ危なくなってきた際、朱凶ら暗殺集団を咸陽へ招き入れ嬴政暗殺を企みます。
このように、李斯の役割とは法というよりも「呂不韋のダークな面」という感じです。
いっぽうで、嫪毐の反乱で嬴政側に寝返った昌平君に
「共に呂不韋様にくすぶっていた才を拾い上げてもらった身」
「我々を裏切ってその足で大王陣営につくと言うのか!」
と叫び、義に厚い面も見せます。
その後、呂不韋が失脚し連座で投獄されてしまいます。
しかし昌文君から「嬴政の法治主義に必要な人物」と推挙され釈放。
主に獲得した新地の平定時に、活躍しています。
李斯は死亡した?現在の状況
74巻時点では生存!秦右丞相として活躍中
74巻時点で李斯は生存しており、秦右丞相として政権の中枢を担っていますよ!
呂不韋失脚後の投獄から復帰し、昌平君が秦軍総司令官兼右丞相を務めていた時期を経て、李斯自身も右丞相の地位に就きました。
韓攻略戦(紀元前230年)の時期には、戦場での活躍ではなく、昌平君が提唱した「三つの柱」の実現に向けて内政面で尽力しています。
全国戸籍作りと強制徴兵令を完成させる!
始皇十五年の番吾での敗戦後、李斯は昌平君が立案した「三本の柱」の一つ目である秦国全土の戸籍作りを、昌文君たちと共に全ての文官を総動員して進めました。
同時に強制徴兵令の作成にも取り掛かり、翌年の始皇十六年には両方とも完成させますが、完成直後に昌文君と共に倒れこむ程の激務でした。
この地味だけど超重要な行政プロジェクトこそが、李斯の真価を示す場面となっていますよ!
史実での最期について
史実では、始皇帝死後に趙高と組んで権力闘争を行い、最終的に趙高に嵌められて処刑されるという悲劇的な最期を迎えます。
しかし、キングダムでは現時点(74巻)でその展開はまだ描かれておらず、今後どのように描かれるかは未定です。
原作者は史実をベースにしつつもドラマとしてアレンジを加えると語っているため、史実通りになるとは限りませんよ。
李斯の性格
冷徹な合理主義者でありながら生真面目
李斯は「人を信用せず、制度で縛る」という法家思想に基づき、情よりもルール・仕組みを重視する人物ですよね。
「法の番人」という異名通り、確実さを重視する生真面目な性格の持ち主です。
呂不韋四柱時代には、その生真面目さゆえに呂不韋の複雑な思考を理解できず、振り回されることも多かったと描かれています。
しかし、その誠実さは法治国家建設という長期的な目標に向けて、コツコツと努力を続ける原動力となっていますよ!
義理堅さと自己保身のバランス
嫪毐の反乱で嬴政側に寝返った昌平君に対し、李斯は「共に呂不韋様にくすぶっていた才を拾い上げてもらった身」と叫び、義に厚い面を見せました。
一方で、同門の韓非子が政に気に入られた際には、自身の立場を守るために韓非子排除に動くなど、自己保身の側面も持ち合わせています。
この「光と闇」の両面性こそが、李斯というキャラクターの魅力であり、恐ろしさでもありますよね!
遠大な理想を追う個性派
占星術的な視点では、李斯タイプは「遠大な理想をコツコツと追いかける個性派」とされています。
目的達成に長い時間がかかるため、その過程で心の黒い部分が噴出してしまうこともあり、実際に呂不韋陣営にいた頃は暗殺の手配を申し出たこともありました。
情に厚い性格のため、身内や身近な人のトラブルに巻き込まれやすい一面も持ち合わせていますよ。
李斯の強さと能力
戦闘力:文官のため皆無
李斯は完全に文官・法家であり、戦場で武器を振るう描写は一切ありません。
武力という意味での「強さ」は評価対象外で、知略・行政能力に完全特化したキャラクターですよ。
彼の「戦場」は朝廷と役所、そして紙の上なんです!
法律・制度設計の天才!
李斯の最大の能力は、法律と制度設計における圧倒的な専門性です。
戦国末期の混乱を前提に、「誰が王でも回る」レベルの仕組みを作る発想を持ち、政の「法治国家」構想の技術的補助線を引く存在として機能しています。
統一後の郡県制への移行、度量衡の統一、地方行政の再編など、膨大な事務作業を設計・分解し、官僚機構にタスクとして落とし込む能力は他の追随を許しませんよ!
組織運営・官僚統制の能力
全国規模の戸籍作り、度量衡の統一、地方行政の再編など、李斯は膨大な行政プロジェクトを実行に移す組織運営能力を持っています。
番吾敗戦後の「三つの柱」では、全ての文官を総動員して秦国全土の戸籍作りを完成させ、同時に強制徴兵令も作成しました。
この激務により昌文君と共に倒れこむほどでしたが、確実に成果を出す実行力は秦国統一に不可欠なものでしたよ!
インテリジェンス・謀略能力
李斯は配下に有能な間諜・姚賈を擁しており、諜報活動と情報操作にも長けています。
韓非招聘編では、姚賈からの報告により韓非が韓の諜報活動に関与していることを把握し、即座に政に報告して韓非の屋敷を検閲しました。
直接の暗殺命令描写は抑え気味ですが、結果として韓非が獄中で服毒死する流れを作り出し、自身の立場を守ることに成功していますよ。
李斯の主要な関係性
嬴政との関係
李斯と嬴政は「統一後の世界像」を共有する同志でありつつも、完全には信頼しきれない危うい関係性にあります。
政は「中華統一後の安定には、感情ではなく法が必要」と考えており、法家として最高レベルの知性を持つ李斯を起用せざるを得ない立場です。
一方で、李斯の持つ冷酷さや暴走リスクをどこまで制御できるかが、今後の政の器量を測る試金石となっていますよ!
昌文君が獄中の李斯を訪ね、「中華統一後は法治国家とする」という政の構想を伝えた際、李斯は「法とは願いだ」と答え、政の理想に共鳴する姿勢を見せました。
呂不韋との関係
李斯はもともと呂不韋に才能を見出され、呂不韋四柱の一人として権力の中枢に登用された人物です。
「法の番人」として呂不韋陣営を支え、暗殺や諜報といった裏の仕事も担当していました。
呂不韋失脚後は投獄されますが、その法律の専門知識が秦国の中華統一に不可欠であることが認められ、翌年に昌文君の懇願により復帰を果たします。
商人ベースの呂不韋と違い、李斯は思想・法をベースに国家を組み替えるタイプであり、その点で「呂不韋の後継」とは異なる新しい権力者像を体現していますよ。
韓非子との因縁
李斯と韓非子は同門の法家であり、思想的にも近い存在でした。
史実では若き日に共に法を学び、ライバル的な関係にあったとされています。
キングダムでは、始皇十四年に韓非が秦朝廷への招聘を受けて咸陽に到着すると、政の命で韓非と共に新法の研究に取り掛かりますが、李斯は韓非ののらりくらりとした様子を訝しんでいました。
間者の姚賈からの報告で、韓非が韓の諜報活動に関与している疑いがあることを聞くと、即座に政に報告して韓非の屋敷を検閲します。
真相を確かめるため屋敷に軟禁した韓非と面会し、韓非が韓の情報機関に関わるようになった事情を聴きました。
政に報告しようとした時、韓非が獄で自死したという急報を聞いて驚愕します。
獄で韓非が服毒死しているのを目撃した直後、その傍に姚賈がいるのを見て激昂し、二人きりの部屋で姚賈を詰問して、韓非を毒殺した一連の事情を聴きます。
中華統一のため、李斯は韓非の死を「韓非が隠し持っていた自死用の毒で服毒自殺した」と政たちに報告した上で、趙を崩壊させるために姚賈を不問にして趙へと帰しました。
その夜、妻と酒を飲みながら韓非を友達だと思っていたことを語り、韓非の「思いの火」を受け継いでいきたいと妻に語って励まされます。
この一連のエピソードは、李斯の「光と闇」が最も強く表現された場面であり、法治国家建設という大義のために私情を犠牲にする李斯の苦悩が描かれていますよね。
昌文君との関係
李斯と昌文君は、当初は呂不韋陣営と政陣営という敵対関係にありました。
秦国の政治家として派閥が異なり、対立する立場でしたが、呂不韋失脚後は昌文君の懇願により李斯が政陣営に加わり、協力関係を築きます。
昌文君が獄中の李斯を訪ね、「中華統一後は法治国家とする」という政の構想を説明した際、李斯は「法とは願いだ」と答え、昌文君を強く打ちました。
この言葉をキッカケに、昌文君は土下座をし「力を貸してくれ」と懇願し、李斯の釈放と登用が実現します。
その後、全国戸籍作りや強制徴兵令の作成など、李斯と昌文君は共に激務をこなし、完成直後には二人とも倒れこむほどの苦労を共にしましたよ!
姚賈との関係
姚賈は李斯が使役する有能な間諜(スパイ)であり、各国の情報を操作する諜報のプロフェッショナルです。
韓非招聘編では、姚賈が韓非の正体(韓の諜報機関との関係)を掴み、拘束から毒薬による自害へ追い込む直接実行役を担いました。
李斯の「黒い仕事」を代行する影の存在として、姚賈は李斯の権力基盤を支える重要な配下となっていますよ。
信・蒙恬・王賁との関係
李斯と武将たちとの直接の会話シーンや深い因縁は少なめです。
ただし、彼らが戦場で切り拓いた成果を、国内制度と結びつけて「統一国家」の形にするのが李斯の役割ですよ。
韓非招聘編では、信が警護役として韓に同行し、結果的に韓非の死を目撃するため、「信の目に映る李斯(の陣営)の暗さ」として後々活かされる布石になっています。
李斯の登場巻・活躍年表
| 時期・巻数 | 出来事 | 李斯の動向 |
|---|---|---|
| 10巻 | 呂不韋四柱として初登場 | 「法の番人」として紹介されるが、嬴政暗殺を示唆する発言で裏の稼業を匂わせる |
| 30巻 | 合従軍編 | 朱凶ら暗殺集団を使い、嬴政暗殺を企てる |
| 37〜40巻 | 毐国反乱〜加冠の儀 | 昌平君の寝返りに対し義理を主張。呂不韋陣営の一員として活動 |
| 45〜46巻 | 斉王・李牧来朝 李斯招聘 | 呂不韋失脚後に投獄されるが、昌文君の懇願により釈放され政陣営に加わる。「法とは願いだ」の名場面 |
| 46〜60巻 | 鄴攻略編 | 政と共に統一後の体制設計について議論を進める |
| 60〜62巻 | 什虎編〜六大将軍復活 | 国内制度の整備を進める |
| 65〜69巻 | 第一次趙北部攻略戦 韓非招聘編 | 韓非を秦に招聘。姚賈の報告により韓非の諜報活動を把握し、結果的に韓非が獄中で服毒死。法家の本流を掌握 |
| 70〜73巻 | 第二次趙北部攻略 (番吾の戦い) | 大敗後の再建策を昌平君と共に練る |
| 74巻 | 韓攻略戦 「三つの柱」 | 全国戸籍作りと強制徴兵令の作成を完成させる。昌文君と共に倒れこむほどの激務をこなす |
キングダム李斯の名場面!「法は願い」をチェック!

呂不韋失脚から、投獄されている李斯。
そこに「中華統一後は法治国家とする」と嬴政から聞いた昌文君が、「法の化け物」とされる李斯に会いに来ます。
統一後、嬴政が「全中華を治める法治国家」を考えていると李斯に説明する昌文君。
しかしその法のイメージが全く見えない、と嘆きます。
それを聞いた李斯は、では「そもそも法とは何だ?」と問います。

さらに続けて、答える李斯。

「法とは願いだ!」
「国家がその国民に望む人間の在り方の理想を形にしたものだ!」
「統一後 この中華の人間にどうあって欲しいのか」
「どう生きて欲しいのか」
「どこに向かって欲しいのか」
「それをしっかりと思い描け!」
李斯の言葉に強く打たれる昌文君。
この言葉をキッカケに、昌文君は土下座をし「力を貸してくれ」と懇願します。
このシーン、熱いですよね!
法律の素人でも李斯のスゴさが分かるように昌文君目線で描かれているところが秀逸だなと感じますよ。
このやり取りだけで中華統一後の李斯の必要性が分かりますし、史実にも合致するように感じますよ。
本当に素晴らしい名場面です。
呂不韋四柱としての圧倒的な威圧感
物語序盤から中盤にかけて、李斯は呂不韋陣営の「四柱」の一人として、秦王・嬴政らを精神的・政治的に追い詰める役割を担いました。
暗殺事件後の参内シーンでは、呂不韋や他の四柱(昌平君、蒙武、蔡沢)と共に圧倒的な「格」の違いを見せつけ、政陣営を沈黙させるほどの威圧感を放ちましたよね!
この場面は、李斯がただの文官ではなく、権力の中枢を担う重要人物であることを強く印象づける重要なシーンとなっています。
韓非との最後の対話
韓非が獄中で服毒死した後、李斯は妻と酒を飲みながら韓非を友達だと思っていたことを語り、韓非の「思いの火」を受け継いでいきたいと語ります。
法治国家建設という大義のために、友人である韓非を犠牲にせざるを得なかった李斯の苦悩と決意が表現された、重く印象的な場面ですよ。
確実さを重視する生真面目な性格から、時に非情な決断を下さなければならない立場へと成長した李斯の人間性が垣間見えるシーンとなっています。
全国戸籍作りの完成
74巻で描かれた全国戸籍作りのシーンは、戦場シーンが多い本作の中で、地味だけど統一国家の基礎作りとして非常に重いエピソードですよね!
李斯の真価である行政能力が最も表現されるパートであり、昌文君と共に全ての文官を総動員して秦国全土の戸籍作りを完成させました。
完成直後に昌文君と共に倒れこむほどの激務でしたが、この仕事こそが中華統一の基盤を作る重要な一歩となりましたよ!
李斯の物語上の役割と立ち位置
中華統一後フェーズの「顔」

信・王翦・楊端和ら武将が「統一のための戦争」を進める一方、李斯は「統一後の国をどう運営するか」を担うキーパーソンですよね。
戦場で領土を広げる武将たちと、その成果を制度として定着させる李斯は、車の両輪のような関係にあります。
中華統一という壮大な目標において、李斯は「その後」を見据えた準備を進める、未来志向の重要人物なんですよ!
政の理想を「現実のシステム」に落とし込む変換機
政の掲げる「戦争を終わらせる」という理想論が、法、戸籍、度量衡、地方支配の仕組みなど、具体物へ変換される過程を象徴するキャラクターが李斯です。
政が「何を実現したいか」を語り、李斯が「どうやって実現するか」を設計する。
この役割分担により、キングダムの物語は単なる戦争漫画ではなく、国家建設の物語としての深みを獲得していますよね!
「光の法」と「闇の法」の両面を体現
法により身分や出自を超えた評価・統治を実現しうる「光」の側面と、反対者・異端を徹底的に排除・統制する「闇」を同時に孕む存在、それが李斯です。
韓非排除や諜報機関の活用はその闇の先触れであり、今後描かれるであろう焚書坑儒・思想統制などに繋がっていく布石になっていますよ。
李斯というキャラクターを通じて、キングダムは「法治国家」という理想の危うさと可能性の両面を描き出しているんですよね!
商鞅〜韓非の系譜を継ぐ者
李斯は、商鞅以来の厳格な法治路線(商鞅の変法)をさらに全国レベルに拡張する「継承者」として位置づけられています。
法家思想の本流を受け継ぎ、それを秦帝国全体に適用する役割を担う李斯は、歴史の連続性の中で重要な結節点となる人物ですよ。
政の理想を支える文官としての役割と、法家の歴史的系譜を継ぐ者としての役割、この二重性が李斯の物語上の立ち位置を特徴づけていますよね!
李斯の声優・アニメ情報
担当声優は青木強さん
アニメ版キングダムで李斯の声を担当しているのは、声優の青木強さんですよ!
アニメでの登場状況
アニメは現在、第5シリーズまで制作済み(2024年時点)で、扱っている原作範囲は合従軍編から鄴攻略編序盤あたりまでとされています。
李斯が本格的に目立ち始める韓非招聘編(69巻)や韓攻略戦(74巻)は、まだアニメ化されていない範囲に含まれますよ。
そのため、現行アニメ版では李斯の出番は極めて限定的、もしくは未登場かごく短いカットに留まっている構成と考えられます。
今後のアニメ化に期待!
今後、アニメが69巻以降のエピソードに到達した時点で、韓非招聘編、韓非死亡、全国戸籍作りなどがアニメ化されれば、李斯の出番とキャストの活躍が一気に増える想定ですよ!
特に「法とは願いだ」の名シーンや、韓非との因縁のエピソードは、アニメ化されれば大きな話題になることが予想されますよね!
キングダム李斯のイメージは史実にあった
「法の番人」として紹介され、実際に嬴政の元で法を司り活躍する李斯。
しかし、呂不韋四柱時代には「暗殺」や「諜報」と言った暗い面を受け持っているイメージでした。
これは史実の李斯に基づいた役割だったと考えられます。
史実の李斯も呂不韋に見いだされ、嬴政に�える事となります。
嬴政の指示の元で他国に潜入し、他国の王族と将軍の間を仲違いさせるなどし功績を上げます。
秦に戻った後には、自分よりも嬴政に気に入られる韓非子を貶める事に執心。
同じ法学家である韓非子が気に入られると自分の立場が危ういと考え、嬴政に嘘の報告をし投獄させ韓非子を服毒自殺させます。
つまり、自己保身のために韓非子を殺したのです。
秦による中華統一が成された後には大規模な思想弾圧からの「焚書坑儒」、さらには嬴政の詔書書き換えなど、ダーク過ぎる所業を行っています。
しかしいっぽうで、中華統一後の法整備に関しては大きな功績を残しています。
統一後の各国の郡県制への移行は間違いなく李斯の功績であり、秦国統一で最も大きな功績を残した一人であることは間違いないでしょう。
史実から法の番人でありながらダークなイメージのキングダム李斯は、史実から生まれているのだろうと察せられます。
キングダムでの描写の工夫
キングダムでは、史実のこうしたダークな面を取り入れつつも、李斯の人間性や苦悩を丁寧に描いていますよ。
韓非排除についても、「自己保身のため」というよりは「中華統一という大義のため」という側面が強調され、李斯の葛藤が描かれています。
韓非の死後、妻に「友達だと思っていた」と語り、韓非の「思いの火」を受け継ぐと決意する場面は、史実にはない創作ですが、李斯というキャラクターに深みを与えていますよね!
今後の展開の予想
史実では、始皇帝死後に趙高と組んで権力闘争を行い、扶蘇と蒙恬を自害に追い込むなど、さらにダークな展開が待っています。
しかし、これらは中華統一後の話であり、キングダムの現在の物語進行からすると、まだ先の展開です。
原作者は史実をベースにしつつもドラマとしてアレンジを加えると語っているため、史実通りの展開になるとは限りませんよ。
「自己保身のためではない展開」で登場する可能性も十分にあり、今後の原作の展開に注目が集まりますよね!
李斯に関するよくある質問(FAQ)
Q. 李斯は武将?戦うの?
いいえ、李斯は完全に文官・法家であり、戦場で武器を振るう描写はありませんよ。
彼の「戦場」は朝廷と役所、紙の上なんです!
知略と行政能力に完全特化したキャラクターで、武力という意味での「強さ」は評価対象外ですよね。
Q. 韓非との関係は?なぜ殺した(殺させた)の?
李斯と韓非は同門で思想的にも近い存在でしたが、秦国内の主導権争いの観点から、韓非の存在は政・李斯双方にとってリスクでもありました。
作中では、諜報活動の露見を口実に姚賈が拘束し、毒を渡して自害させる流れになっています。
直接の「命令」描写はぼかされていますが、李斯の利害と完全に合致する結果であり、李斯陣営の関与が強く示唆される構成になっていますよ。
ただし、キングダムでは李斯が韓非を「友達」と思っていたことや、その「思いの火」を受け継ぐと決意する場面が描かれ、単純な自己保身ではない複雑な心情が表現されていますよね!
Q. なぜ政はそんな危険な人物を重用するの?
政は「中華統一後の安定には、感情ではなく法が必要」と考えているため、法家として最高レベルの知性を持つ李斯を起用せざるを得ませんよ。
統一後の郡県制、度量衡の統一、文字の統一など、膨大な制度設計を実行できる人材は李斯以外にいないんです!
一方で、その冷酷さ・暴走リスクをどこまで抑え込めるかが、今後の政の器・人事采配のテーマとして描かれていく布石になっていますよね。
Q. 史実どおりに最期は趙高に嵌められて処刑される?
史実ではそうですが、原作は史実をベースにしつつもドラマとしてアレンジを加えていると作者自身が語っていますよ。
現在(74巻)時点では、その最期はまだ描かれておらず、描き方も未確定です。
中華統一後の展開がどこまで描かれるかにもよりますが、史実通りになるとは限りませんよね!
Q. 呂不韋と何が違うの?どっちが「悪役」寄り?
呂不韋は「金と人脈で国を動かす商人貴族」、李斯は「法と制度で国を縛る官僚・思想家」ですよ。
どちらも「反政サイドのラスボス」ではなく、役割が大きく異なります。
呂不韋は政奪還・加冠編の政敵として描かれましたが、李斯は統一後フェーズでの「必要だが危険な頭脳」という位置づけですよね!
Q. 史実どおり焚書坑儒をやるのか?
史実では李斯が主導したとされる焚書坑儒ですが、作中ではまだその年代(紀元前213年頃)に到達しておらず、実行も描かれていませんよ。
ただし、法家としての思想統制・情報管理の片鱗は、韓非排除や諜報網の運用などで既に示されているので、「布石は打たれている」と言えますよね!
今後の展開次第では、何らかの形で描かれる可能性はありますよ。
キングダム李斯まとめ

史実通りダークなイメージが付きまとうキングダム李斯。
しかし法の化け物であることは間違いなく、今後は嬴政に「法の専門家」として尽くしていくでしょう。
いっぽうで史実で登場する自己保身のために韓非子暗殺は、おそらく登場しないのでしょう。
もし来たとしても、「自己保身のためではない展開」で登場するのではと思われます。
詔書書き換えによる扶蘇自殺や蒙恬を…という展開も、中華統一後の話なのでキングダムでは無いと思われます。
74巻では全国戸籍作りと強制徴兵令を完成させ、昌文君と共に倒れこむほどの激務をこなしましたよね!
確実さを重視する生真面目な性格から、時に非情な決断を下さなければならない立場へと成長した李斯。
法により身分や出自を超えた評価・統治を実現しうる「光」の側面と、反対者・異端を徹底的に排除・統制する「闇」を同時に孕む存在として、今後の物語で重要な役割を果たしていくことでしょう。
「法の化け物」李斯。
嬴政に尽くす今後の活躍に、要注目ですよ!






