進撃の巨人

【進撃の巨人】諫山創先生×川窪慎太郎氏ロングインタビュー考察まとめ!

アキバカルチャーマガジン「フェブリ」にて、「進撃の巨人」作者諫山先生と編集担当バック氏によるロングインタビューが掲載されました。

「進撃の原点」と題するインタビュー記事は、計7ページを超え、量もさることなが濃い内容となっていました。

まさに二人が出会い、「進撃の巨人」が生まれるプロセスが語られた対談でしたが、どのような内容だったのでしょうか?

そこには、これからの「進撃の巨人」の展開に関わる内容はあったのでしょうか?

読み進めていくと、なんと「進撃の巨人」の最終話に関わる内容も登場しました!

それでは二人の対談内容を見て行きましょう!

◆「進撃の原点」ロングインタビュー内容まとめ!

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「Febri」vol.42表紙より

二人の対談は、諫山先生が専門学生時代に講談社に読み切り版「進撃の巨人」を持ち込むところから始まり、どのようにして今の連載という形になっていったかという流れで語られていました。

これは公式ガイドブック「攻」での諫山先生一万字インタビュー「諫山創 かく語りき」と重なる部分もありました。

ここではその部分は省き、管理人アースが興味をひいた部分をピックアップし紹介していきたいと思います。

  • お互いの第一印象
  • バック氏は「進撃の巨人」を絵で選んだ
  • 「進撃の巨人」はバック氏が連載に
  • 諫山先生はキャラクターが苦手だった
  • 22巻のラストはバック氏の意見が反映
  • リヴァイが180cmだったらカッコ悪い
  • ウトガルド城登場の巨人が好き
  • 最終回はプロ寄りのアプローチで
  • それではそれぞれ見て行きましょう!

    ちなみに川窪慎太郎氏については担当編集者バック氏から結婚報告!でも触れているので見てみてください!

    まずは、「お互いの第一印象」ですね。

    これは対談インタビューの冒頭でお互いが語られています。

    川窪慎太郎さんことバック氏は、「あまり覚えておらず(笑)」「今とほとんど変わらなく物静かで一貫して礼儀正しい人」と語っています。

    諫山先生はバック氏を「とにかく若いな」「あとすごく眠そうでした」と語っています。

    バック氏が諫山先生の事を語る時に良く評している評価ですね。

    諫山先生事を売れていない頃も今のように売れてからも変わらず、腰が低く礼儀正しい人と良く評価されています。

    諫山先生が初めてバック氏と出会ったのはバック氏が大学を卒業して講談社に入社して2ヶ月も経っていない頃であり、まだ22歳くらいだと思われるので、これは「若い」と感じるでしょう。

    そして、この時に諫山先生が持ち込まれた読み切り版「進撃の巨人」が現在の「進撃の巨人」の原型となっている訳ですが、この時の絵で選んだいうのは驚きました。

    0巻のネタバレ考察あらすじまとめ!にてこの時の読み切り版が見られますが、とても絵で選んだとは思えない内容となっています。
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    「進撃の巨人」0巻より

    やはりこの辺りは、編集担当者として素材を見出す能力を既にバック氏が持っていたということなのでしょう!

    これはバック氏だから見い出せたのではないか、と感じますね!

    「進撃の巨人」が集英社でボツとされたのは有名な話で、持ち込んだ諫山先生に「ジャンプ持って来い」と言い、採用されなかった事は諫山先生ブログ「現在進行中の黒歴史」で掲載されているエピソードです。

    諫山先生ブログ2009年12月にて見られますので、興味のある方は見てみて下さい!

    もちろん「進撃の巨人」がジャンプのイメージに合わなかったということは分かりますが、やはりここからもバック氏の慧眼が分かりますよね!

    ましてやアイデアや物語ではなく「絵で」というのは驚きました!

    そしてその後、講談社の新人賞を受賞した諫山先生は連載が決まるのですが、当初「進撃の巨人」で連載という事は頭には無かったようです。

    その諫山先生に「進撃の巨人で進めませんか?」と提案したのがバック氏で、そこから「進撃の巨人」で連載することが決まったとのことです。

    これもスゴイ話ですよね!

    たしかに「進撃の巨人」を生み出したのは諫山先生ですが、このエピソードからもバック氏がいなかったら現在の「進撃の巨人」は無かったのだと、つくづく感じます!

    そして当初は人食い巨人が人類を絶滅寸前に追い詰められるという構造が魅力な作品だったのが、現在のようにキャラクター重視ではなく、むしろキャラクターを描く事が苦手だったとのエピソードを諫山先生から語られます。

    現在94話まで話は進んでいますが、たしかに初期の頃に比べ「対巨人」という構造は減ってきており、どちらかというとキャラクターの謎を解明していくという展開が多々見られますね。

    これは、初期の頃は諫山先生がキャラクターを描くということが苦手だったことに起因しているようです。

    しかしずっとエレン達を描いていく内に、キャラクターを描くこと自体が楽しくなってきたと諫山先生は語っています。

    キャラクターが立っている事がこの作品の大きな魅力のひとつだと管理人アースは感じていたので、この「キャラクターは苦手」という諫山先生のエピソードにはびっくりしました。

    このエピソードからは、作中のキャラクターとともに諫山先生も成長していったのだなぁと感じられて、ちょっと微笑ましかったです(笑)

    そしてバック氏の作中での影響の話になり、22巻ラストはバック氏の指摘で大きく構成を変えたとの話が諫山先生から登場します。

    そもそもの諫山先生のネームには「エレンは一体何がしたかったの?がごっそり抜けており」「バック氏に指摘され、まとめ直した」と諫山先生から語られました。

    22巻ラストというと第90話「壁の向こう側」のこの場面ですよね。
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    「進撃の巨人」第90話「壁の向こう側へ」より

    そして「エレンが何をしたかったのかが、ごっそり抜けて」ということは、もともとエレンが語るこの辺りからラストまで全く無く、バック氏の指摘から追加されたということかもしれませんね!
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    「進撃の巨人」第90話「壁の向こう側へ」より

    たしかにラストのエレンの語りが無かったら単純に「エレンが思い出したグリシャの記憶が現実である」という証明と、「アルミンの夢が叶った」という場面で終わる事になり、主人公エレンの意志や気持ちが全く表現されること無く終わっていることになっていたのでしょう。

    そしてそのままマーレが舞台となる91話「海の向こう側」に移り、エレンの気持ちが表現されること無く話が進んでいたことになります、

    やはり90話ラストでのエレンの場面が入ったことにより、物語の主流であるエレンの意志が示され、展開にケジメがついていますよね。

    バック氏の指摘から生まれた場面と知り驚きましたが、編集担当のバック氏が進行している物語にも大きく影響されているのだなぁと、改めて感じました。

    その後バック氏から「諫山先生の『カッコいい』という基準がブレず洗練されている事により物語が強くなっている」という説明があり、諫山先生は「リヴァイが180cmだったら僕的にはカッコ悪い」と話されます。

    そして「160cmのオッサンがスカしているっていうのが良くて、ちょっぴり不憫なテイストが混ざらないと、あの感じは出ない」「そういう部分はどのキャラクターにも作っているつもり」と説明が続きます。

    これは、言われないと分からない部分ですね。

    たしかに「進撃の巨人」には完全にカッコいいキャラクターはいないように感じますね。

    最もそれに近いのはエルヴィンでしょうが、それでも「気持ち悪いやつ」であったり「好きな女性よりも巨人を選ぶ」というような変わり者でもありました。
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    「進撃の巨人」第51話「リヴァイ班」より

    ザックレー総統の「芸術」であったり、ピクシス司令の「酒好き」「生来の変わり者」という設定も、諫山先生曰くのテイストなのかもしれませんね。
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    「進撃の巨人」第63話「鎖」より

    この辺りに、諫山先生の「カッコ良さ」の基準があるようです。

    単純にカッコいいだけのキャラクターは、「かっこ悪い」のでしょうね。

    深いです!(*´∀`*)

    そこから巨人を描く時に心がけている事についての話になり、諫山先生の「お気に入りの個体」が10巻でのウトガルド城で、ライナーが下りて行って扉を開けた時に登場した巨人だと話されます。

    巨人の魅力が気持ち悪さであり、このシーンでは不気味で怖く見えないと成立しない場面であり全力で描いたと説明されています。

    たしかにこの時にニヤけたように見えた巨人は不気味で怖かったです!(・_・;)
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    「進撃の巨人」第39話「兵士」より

    諫山先生の、お気に入り具合が分かりますね!(笑)

    そして話は最終話の展開の話になり、「初期の頃に考えていた結末からは大きく変わっており」「皆さんがキャラクターを好きになってくれたおかげで、もともと用意していたラストでは到底ダメだろうな」と初期の考えからは変更されていることを打ち明けられています。

    「もともとは読者を喜ばせたいという気持ちよりも衝撃を与えたいという気持ちの方が強かった」のですが、現在では「もっとプロ寄りのアプローチも素晴らしいのでは」と考えられているようです。

    ここから読み取れるのは「もともとは全ての登場人物を死亡させて終わる」展開を予定したのだけれど、あまりにも作品とキャラクターに人気が出たためそれは難しくなり「より読者に受け入れられ、読者を満足させられる結末」を考えている、ということですね。

    そしてその結末を「最後まで模索し続けたい」と、現在でも模索中と打ち明けられ対談は終わっています。

    当初の最終話が「ほぼ全員死亡退場」であったことは、コミックスの裏表紙に描かれている104期生が裏切ったり退場すると消えているところから読み取れました。

    しかし、その予定は変更しているようですね。

    その気持ちは察せられますし、これだけの人気作品となった「進撃の巨人」のラストを上手く着地させなければというプレッシャーは計り知れないです。

    ですが、出来る限り「諫山先生が描きたい」ラストをそのまま作品に投影して欲しいですよね!

    今からそのラストがどのようになるのであろう、と妄想する管理人アースでした!\(^o^)/

    ◆今回の対談から見えた「進撃の巨人」を生んだ二人の化学反応を考察!

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    「Febri」vol.42より

    今回の対談で「進撃の巨人」という作品が作者諫山先生だけではなく、連載開始前からの編集担当者バック氏の存在により誕生したことが分かりました。

    そして現在の物語の展開にも影響を与えており、その存在の大きさが窺えますよね。

    この対談でインタビュアーからの「川窪さんは『進撃の巨人』担当編集として、今は何をやっている時が楽しいですか?」という質問にバック氏は「ネームを読む瞬間」であり「諫山創という物語メーカーにアイデアなりゴミみたいな意見や質問をポンッと放り込み、しばらくするとポンッとスゴい物語が出て来る」と答えられています。

    ここに「進撃の巨人」がどのように生み出されているのかが凝縮されているのではないか、と感じました。

    諫山先生が作られたネームを読み、それに対しバック氏がアイデアや質問をし、それを咀嚼しさらに優れた作品へと昇華されていく…

    そんな工程が連載開始8年間、いえ諫山先生が原稿を持ち込んだ12年前から続いているのではないでしょうか?

    そのようなやり取りから生まれる化学反応が、「進撃の巨人」という唯一無二な作品を生んだのだろうなと察せられました。

    あと何年続くのか分からない「進撃の巨人」ですが、今回の対談で最後まで素晴らしい化学反応を見せて欲しいなと感じました。

    この科学反応が続く限り、そこから生まれる展開は我々読者を裏切らないでしょう!

    そしてその展開の最後には、最高の最終話が生まれるのだろう!と確信した管理人アースでした!\(^o^)/

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