7月3日(水)の午後10時よりBSプレミアム「シリーズ深読み読書会」にて「進撃の巨人」が取り上げられました!
村上春樹先生の「ノルウェイの森」や夏目漱石先生の「こころ」などが取り上げられて来た番組であり、これまでは文学作品が取り上げられてきました。
ところが今回初めて漫画を取り上げられる事となり、それが「進撃の巨人」となったのです!
その為もあり、かなり話題を読んだ放送となりました!
小説家、文芸評論家、漫画家といった面々が「進撃の巨人」をどのように読むのか?
むっちゃ興味が湧きますよね!
番組内容を検証してみましょう!
◆シリーズ「深読み読書会」@【進撃の巨人】!番組内容を紹介!

「進撃の巨人」という作品の紹介から始まります。
最初に「今世紀最大の問題作」と称された時には驚きましたが、「累計8000万部突破」「180カ国以上で出版されている世界的ベストセラー」との説明があり、胸を撫で下ろしました(笑)

小説家であり文芸評論家の高橋源一郎氏

評論家の鹿島茂氏

漫画家の新井英樹氏

女優の鈴木杏さんの4名で語られる読書会が始まります。

まずは、それぞれの「進撃の巨人」に対する印象に残った発言を紹介していきます。
高橋源一郎氏が巨人の説明をされる際に「超大型巨人は絶対に敵わない存在」「災害、天災」と表現されていました。

これは無垢の巨人や他の巨人と比べ、圧倒的な存在であり抵抗ができないところからの言葉となっていました。
たしかに基本、無垢の巨人の怖さと超大型巨人の怖さの種類は違いますよね!
改めて言われて「なるほど!」と感じました。
そこから、鹿島茂氏は無垢の巨人を取り上げ「人間の根源的な恐怖のひとつに『食べられる』がある。」と説明をされます。

さらに「猿と人間の違いは草原に出たことであり、捕食されるリスクを冒しながらも何かを得ることを天秤にかけ、人類はそれを選択した」と続けます。
これはまさに調査兵団であり、リアルな人類の選択が調査兵団に繋がっている事が分かりますよね!
エレンの「壁内で安穏と暮らすのは家畜と同じ」というセリフは、色々な意味で的を得ていたのだなとここで感じました!

そして、新井英樹氏のピクシス司令の演説についての解説が非常に面白かったです。

ピクシス司令の名場面として名高い第12話の演説場面ですね。
これは「選択をさせているようでさせていない」「うんこ味のカレーとカレー味のうんこ味のどっちを選ぶと同じ」だと説明し、2択をさせているようで選択肢は無く一択だ、と語られました。

これ、その通りですよね!
選択させているようで、一択させている。
本人は自分で選択し、自分からその場に行くのだけれど実際は一択させられている。
ここから高橋源一郎氏が「これは洗脳だ」と説明されますが、まさにそのように感じました!
知らず知らず洗脳されている展開だったのだと、ここで気付きましたよ!
そう考えると、クサヴァーさんとジークの関係も似ているな、と感じました。
ジークは自分で選んでグリシャを告発し、エルディア安楽死計画を決心しましたが、見方を変えればクサヴァーさんに洗脳されていたのかもしれないな、と。
非常に興味深い読み方ですよね!
そして鹿島茂氏がエルヴィンとアルミンのどちらに巨人化注射を使用するべきかを選んだ意味について語られました。
合理性で選択するならばエルヴィン団長だろうと、まず語られます。
しかし、合理的な選択でトップを選んだ場合、対抗馬を立てられ内乱が起こる事があると続けます。
一方で「女王の長男だから」のように合理的な選択ではなく、非合理性の元に選択されたトップには最悪な内乱は起こらない、と説明され、それを「非合理の合理性」と説明されました。

そこから考えるとアルミンを選んだリヴァイ兵長の選択は正解だったのだろうと、話は進められます。
これ、スゴく面白く見ましたよ!
となると、この時リヴァイ兵長がエルヴィン団長を選んでいたら、エレンは対抗馬を立てて動いたのか…
それとも自分を対抗馬としていたのか?
いろいろ妄想が広がりましたよ!
さらに鹿島茂氏は「父親殺し」について語られます。

ジークが父グリシャを告発する事について「父親殺しは皆どこかでやらなければいけない」と語り「教育は家庭ではなく学校で行われるようになったのも、親から子を離さなければいけないから始まった」と説明されます。
そう考えると、自分の思想に染め上げてしまったグリシャをジークが切ったのは、たしかに「父親殺し」と言えますよね!
自分の思い通りに子を染め上げようとしたのはヒストリア父のロッドもそうですし、これもヒストリアに切り離されます。
「進撃の巨人」には「父親殺し」がいくつも登場していますよね!
そのように見ていくと、やはり「進撃の巨人」はキャラたちの「成長物語」なのだなと再認識しましたよ!
最後に新井英樹氏が「満員電車でスマホをいじる人達が無垢の巨人に見える」と言われたのが面白かったですね!

たしかにニヤニヤしている無垢の巨人と満員電車でスマホをいじる人は、重なりますよね!
まだまだ多くの事を話し合い面白い話をされていますが、管理人アース的にはこれらの話が印象に残りました!
さて、番組の最後にそれぞれのラスト予想が語られています。
さらに見て行きましょう!
◆それぞれのラスト予想を紹介!

まず、鹿島茂氏が「進撃の巨人には性愛が描かれていない」ので「最後に男女の性愛が描かれ終わるのでは?」と予想されています。
つまり最後にカップリングが成立して終わるのでは、との予想となっていました。
そこから鈴木杏さんは「アルミンとミカサがカップリングとなるのでは」と予想され、そこから「安楽死計画も愛とかからも希望を見たい」と言われていました。

そこを受け、新井英樹氏は「マーレのガビとパラディ島の誰かと分かり合い愛し合うのでは」と予想されました。

しかし自身のラスト予想では希望とし、「まとめて欲しくない」「全て無くなり虚無を見せて欲しい」と語られています。
高橋源一郎氏は「全滅してエレンとミカサが残る」「エレンの巨人性はなくなって終わり巨人がいない世界になる」と予想されていました。

それぞれのラスト予想を見て思ったのが、やはり北欧神話をなぞり「全滅し生き残った人から希望を見せて終わるのでは」と言う感じは共通されていますよね!
管理人アースもそんなイメージを持っています。
ただ、管理人アースは全滅しそうになってから「やり直しループが起こり終わるのでは」と予想していますが!
いや、本当に色々な読み方をされており、興味深かったですよ!
コメントやTwitterで、自分以外の読み方に触れた時と同じ感覚を覚えました!
最後に番組を見て感じたことを書いて終わりにしたいと思います。
◆管理人アースの感想!

「進撃の巨人」という作品を文芸評論家や同業の漫画家の方々が読むとこのように読まれるんだなと、本当に新鮮な刺激を受けました。
「進撃の巨人」についてはけっこう読み込んでいる方だろうと自負していますが、持っているバックグラウンドが全く違うので、「作品を読むプロ」とはこのようなものか、感心しています。
ここでは紹介していませんが、フロイト心理学からの「3重の壁」についてや、その他にも面白い解説をされています。
ただ、何か物足りないな、とも見終わってから感じていました。
面白い見方なのですが、管理人アースには何か物足りないな、と。
それはこの記事を書いている途中で理由に気付いたのですが、それは「伏線と回収について全く触れていなかった」事です。
「進撃の巨人」の大きな魅力は「伏線と回収」にあるのは間違いないですし、なので「展開予想もできる」とも考えられます。
少なくとも管理人アースが展開予想をしている軸は伏線にありますし、そこから予想できるのは間違いなくそれを回収してくれるという、諫山先生への信頼があるからです。
この部分を文芸評論家の方々が語るところを見たかったな、と感じましたよ!
例えば「この展開は連載開始から計算されていたのは間違いないですよね。第〇〇話のこの場面が伏線となっていますし」とか、そういう目線の語りも見たかったなと!
もちろん今回の「読書会」も「進撃の巨人」という作品の魅力を十分にあぶり出していますが…
ここにバックさんも交えて話ししてもらえたら面白かったかも、と感じました(笑)
さて、ここでこの番組を見逃した方に朗報です!
7月14日(日)午前1時15分~午前2時15分のNHKBSプレミアムで、再放送される予定です!
さらにBSが観られない方は有料ですがNHKオンデマンドにて観られますよ!
無料トライアルで登録すれば、無料で見られるかもなので!
ぜひチェックしてみてください!
管理人アースも、NHKオンデマンドで見ました!
今回の読書会を見た事により、これまでとは違った見方ができるようになったとも感じています!
それを踏まえ明日からも進撃を考察しよう、と改めて決心した管理人アースでした!\(^o^)/
→ アニメFinalSeason(シーズン4)は2020年10月放送予定!
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