「進撃の巨人」29巻特装版の特典「shortstories3」には、本編に登場するキャラクター達のサイドストーリーが27編収録されています。
本編にさり気なく登場しているひとコマから膨らませた物語、と言う感じでしょうか?
非常に面白く、さらに「進撃の巨人」を広く深く楽しませてくれる一冊となっています。
その中から管理人アースが気に入った、3編の内容を紹介したいと思います!
エルヴィンとナイルとマリーの知られざるエピソードとは?
ふとしたキースの日常ストーリー。
さらにはペトラから見るリヴァイ兵長の「字ストーリー」が!
順番に見て行きましょう!

◆管理人アース特選!「shortstories3」ベスト3編を紹介!
「shortstories3」に収録されているサイドストーリー27編を読了した管理人アースが選ぶ3篇を紹介します。
まずはエルヴィン団長とナイル・ドーク師団長のサイドストーリーからです!
Vol.1 エルヴィンの手紙
「その優しい声をずっと」
「君に惹かれて、眠れない夜を」
「勇敢な兵士になった暁には、ふたり幸福を手に」
書棚を整理していたエルヴィンは訓練兵時代の教本の間に隠してあった書き損じの紙切れを見つけ、苦笑しています。
そこにハンジが調査をまとめた書類を持って現れ、破棄する書類の中にある、古い紙切れを目ざとく見つけます。
まとめた書類をエルヴィンに渡しながら「思い出の品じゃないのかい?捨てても良いの?」と聞くハンジ。
もう必要のないものだ、とのエルヴィンの答えを聞き、書類確認の間の暇つぶしに読んでも良いかと許可をもらい、ハンジは訓練兵時代のエルヴィンの古紙を読み始めます。
ハンジの書類を確認し、それに基づき指示を出すエルヴィン。
エルヴィンから戻ってきた書類を受け取りながら、読み終えた古い紙切れをエルヴィンに返すハンジ。
渡しながらハンジは「これは自分の為に書いたものではないだろ?」と尋ねます。
「誰か文章を書き慣れていない人のために見栄えの良い単語を選んであげてる感じがするんだ。例えば…友達が出す恋文の代筆、とか」
【親愛なるマリーへ】
ここから先が全く書けなかった無骨な同期。
エルヴィンは当時を思い出しながら、ふと日付を確認し、新しい紙とペンを用意します。
少し遅れたが結婚記念日おめでとう。
調査中でパーティに行けなくてすまなかった。
うまくやっているか?
ナイル、言葉が足りなくてマリーを心配させてないか?
マリー、子育てで無理をしていないか?…」
簡潔に今の自分からの親愛の情と気遣いを込めて、彼は久方ぶりに思い出の相手へと手紙をしたためるのであった。
◯感想
簡潔にまとめ紹介しているため、本文には「エルヴィンは自分の判断を悔いていない」みたいな心情描写も登場しています。
この話は第53話に登場したナイル・ドークとエルヴィンの関係から生まれたサイドストーリーとなっています。
原作では「ナイル・ドークとエルヴィンは同期で、酒場で出会ったナイル・ドークの妻マリーにエルヴィンも惚れていた」というエピソードだけが登場しています。
そこから「ナイルとマリーが結婚するキッカケとなる恋文はエルヴィンが代筆していた」と、さらに3人のエピソードを膨らませたサイドストーリーとなっていますよね!
これにより、原作のエルヴィンとナイルを読む際にも、厚みが増したように感じますよ!
こんな本編には関係ない影響しないただのサイドストーリーですが、進撃の巨人という物語自体に厚み、深みをもたせる話が管理人アースは大好きです!
エルヴィンの器の大きさ、調査兵団を選択した強い覚悟も窺わせる話になっていますよ!
しかしこうなって来ると、マリーという女性がさらに気になってきますよね(笑)
ちょっとで良いので原作に登場してくれないかなぁ(笑)
ぜひ特装版を手に読んでもらいたい、おすすめな一編です!
Vol.9 キースの成績簿
【ミカサ・アッカーマン 本日の訓練も難なくこなす。この者にはさらなる上の課題を与える必要あり。協調性に欠ける点を問うものが推奨される】
【ライナー・ブラウン アッカーマンに次ぐ成績。課題レベルを2つ引き上げ。人望厚く人員を率いる素養を持つため集団訓練の中心に置くこと】
【ベルトルト・フーバー 本日は実戦形式だったため、成績良好。ただし、判断を他人に委ねる癖は依然として残る。単独での課題で試験が必要。】
深夜の訓練兵団の教官室でキース・シャーディス教官は、訓練兵達が今日残した成績を他の教官達と共有するべく、帳簿をつけています。
「…こうしていると、思い出すな」
キースは調査兵団時代、団長をエルヴィンに引き継ぐにあたり、現団員の主だった者の評価を書類として残し引き継いでいました。
【ミケ・ザカリアス 多くの面に秀で、特に危機探知能力に優れる。初対面の他人の匂いを嗅ぐなど、寡黙な奇人でありながら、人望は厚い】
【ハンジ・ゾエ 戦闘能力、作戦理解能力、とっさの判断力、多くの面で優れた能力を持つ。好奇心にかられ暴走する癖を抑える役割の部下を与える必要ありか】
それらの中には入れなかったが、エルヴィン以外の人物を団長に指名することになった場合に備えての文章を、彼は用意していました。
【エルヴィン・スミス 戦闘、作戦立案、さらに班員への的確な指示、強固な意志、全てにおいてきわめて優秀。必ず分隊長以上の任を与えること】
キースには分かっていました。
誰がどんな能力を持っているか、どんな立場がふさわしいのか。
そして自分という人間の能力も…
キースの中には、ぼんやりと罪の意識があります。
そんな時、帳簿に目についた、エレンの評価。
【エレン・イェーガー 他人に遅れを取りながらも、驚異的な努力で追いつき、最終的に上位になった。課題は引き続き継続させつつ、その成績の源たる目的意識を奪わないよう、留意すること】
…目的意識。
それがハッキリとしていればもっと違う団長になっていただろうか、と思いを巡らすキース。
しかし首を振り帳簿に目を戻し、キースは淡々と成績を記していきます。
まるで自分がなし得なったことを、未来に託すメッセージのように。
◯感想
18話に登場したキースの評価と71話「傍観者」で明らかとなったキースという人物を表したサイドストーリーとなっています。
「進撃の巨人」の魅力は、数多くのキャラクターが登場しながらも、それぞれがシッカリとキャラが立っている事が大きいと感じられます。
その最たる特徴が、キースかなと。
当初はものすごく怖い教官として登場しました。
しかし71話に明らかとなったキース教官は、挫折を知ったひとりの凡人として描かれていました。
ここで、ただの「怖い教官キース」から、「一人の人間としてのキース」に生まれ変わりましたよね!
そんなキースを反芻できるようなサイドストーリーとなっているかなと。
大人の悲哀を感じられる一編として、オススメします!
Vol.18 リヴァイの著名
「今回の調査報告書を書きました。責任者の欄にサインだけお願いします。」
「…ああ」
ペトラから差し出された書類に手早く著名するリヴァイ。
返された書類に記された見慣れた上官の文字を見て、ペトラはつぶやきます。
「いつも思ってたんですけど…字、きれいですよね」
「地下街の出だから、読み書きなんざできねえとでも思ったか?」
「い、いえ、そんなことは!」
そそくさと部屋を後にするペトラ。
「それは災難だったな」
ペトラから書類を受け取りながらねぎらいの言葉をかけるエルヴィン。
ペトラはその言葉を聞き安堵し「あの…几帳面なのは昔から?」と何気なく聞きます。
そうだな、と答えるエルヴィン。
「リヴァイは確かに通常の街で育った人ほどの教育を受けていない。人がどこを見て他人を見て判断するのか、そういった処世術に関しては我々よりずっと優れた知見を持っていた。そうだな、ハンジ」
たまたま団長室に来ていたハンジは、話を振られ頷きます。
「ああ、そう言えばリヴァイに兵士長って階級をつける時、そんな話をしたかもね。」
正規の訓練を受けていないながらも抜き出た実力を持っていたリヴァイにサポートする部下を与え、その地位を確たるものにしようと話をしていた頃。
『オイ、お前らの中で一番、字が上手いのは誰だ』
エルヴィン、ミケ、ハンジに尋ねるリヴァイ。
意味が分からず、その理由を問います。
『俺は兵士長とやらになると、お前たちが決めたんだろうが。長というからにはお堅い紙切れに何かを書くこともあるんだろう』
答えを聞いたハンジは、さらに問います。
「読み書きは私達と同じくらいできるんだろ?副官も付けるんだし、任せたらいいじゃないか」
『ガキの頃から兵士になった連中なら、てめぇみたいに薄汚ねぇ格好しててもナメられないんだろうがな、クソメガネ」
『…兵士ってのは集団で動くんだろ?その上に立つ人間に、少しでも信用ならねえところがあったら、機能しないんじゃないのか?』
そこから元々できた読み書きをもう一度やり直したというリヴァイ。
ハンジに続き、エルヴィンも懐かしそうに続けます。
「文字だけではない、身だしなみ、姿勢、話し方…そうした外面だけを見て他人のことを決めつける、人間という生き物の本質を、あいつは知ってるんだ」
「人間の本質…ですか」
ペトラは改めてエルヴィンに提出した書類の目を向けます。
【上、確認済み リヴァイ】
整然と整った文字列に上官の人生観が表れているように見え、彼女はいっそう身を引き締めるのでした。
◯感想
作品内で圧倒的な人気を誇るリヴァイ兵長の人柄が窺える、サイドストーリーとなっています。
原作ではリヴァイが字を書く場面はほとんど登場していませんが、几帳面な性格から綺麗な字を書くのだろうな、と妄想はしてしまいます(笑)
自らの上官像から、字を綺麗に書くようになったリヴァイ。
そこに彼の人生観が表れているというこのサイドストーリー。
もともと魅力的なリヴァイ兵長のキャラクターが、さらに厚みを増すエピソードとなっていますよね!
そしてペトラのリヴァイ兵長兵長へのリスペクトがいかに築かれていったのか、も察せられる話となっています(笑)
こういう話、大好きですよ!\(^o^)/
◆進撃の巨人サイドストーリーとは
◆「語り夜更けて」Vol.21:リヴァイ/子供にも憧れられる人類最強の男が「懐かれた話」を語り出す…#進撃スマパスおすすめ
【RTで無料公開!】https://t.co/o8swll7XIu pic.twitter.com/Qia7JEpkdp— 【受付終了】進撃スマパスオススメ (@Shingeki_SP_CMP) November 20, 2015
多くのスピンオフ作品が誕生している「進撃の巨人」において、サイドストーリーというのは小さなエピソードくらいのものと言えるかもしれません。
リヴァイ外伝「悔いなき選択」や立体機動装置誕生物語「Before the fall」に比べたら、たしかに小粒も良いところな存在でしょう。
しかし先程も触れましたが、キャラクターが大きな魅力である「進撃の巨人」にとってサイドストーリーは、キャラに深みを与える大きな役割を担っています。
さらに「進撃の巨人」ファンにとっては、一つ一つがたまらないエピソードと言えるでしょう!
そして本編に影響が出そうな伏線とも感じられるサイドストーリーもいくつかあり、考察好きにも要チェックなエピソードも登場しています。
この辺りはauスマートパスネタバレ伏線考察!にて考察しているので、見てみてください!!
そしてサイドストーリー総選挙で上位6位に入った作品が無料で読める進撃の巨人スマパスサイドストーリー総選挙も要チェックですよ!
こういう名作エピソードを読むと、「進撃の巨人」は様々な物語の素としても恰好な材料でもあるんだなぁと感じますよ。
作品自体が名作であることは間違いなのない事実ですが、さらに別の物語を生む素としても逸材なのだろうと。
まさに現代の神話と言えるのではないでしょうか!?
さらなる「進撃の巨人」の魅力に気付かされたサイドストーリー「shortstories3」でした!\(^o^)/
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ジークが叫んだことによってナイル達が巨人化してしまったので、妻であるマリー登場あるかもと思ってたのですが、29巻付属のサイドストーリーにそれ関連の話があったのでマリー登場の可能性が自分の中で少し上がりました😄エルヴィンが惚れた女性となると…と思うとどんな人物か楽しみですけど、登場あるのでしょうか🤔
ナイルが人間に戻ったらあるかも、と妄想しています。
管理人アース
団長殿、いつも更新お疲れ様です。
自分も時間がある時にスマートパスのサイドストーリーに目を通していますが、ファンには堪らない仕上がりになっていると思います。
原作とのリンクを考えるとビミョーですが、こんな解釈も自分はアリだと思います。
今回紹介して頂いた3作とも、読んでいて引き込まれますね。
自分も兵長はペトラの言うように「序列や型にはまらないような人」と言うイメージが強いので、兵長のお話は読んでいて考えさせられましたね。
兵長がピクシスの命に背いてまでエレンを守る決意を固めたのは、心から尊敬出来る上司はエルヴィンただ1人だったのだと思います。
兵長の再登場が余計に待ち遠しくなってきましたよ。
>心から尊敬出来る上司はエルヴィンただ1人だったのだと
そうなのかもですね。
「じいさん、酒が足りてねぇようだが」という兵長のセリフから、ピクシスへのイメージは悪くないのでしょうが上司となるとエルヴィン像が強いでしょうし、リヴァイが抱いている上司像のイメージもエルヴィンに近いように思えますよ。
管理人アース