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キングダム蔡沢(さいたく)徹底解説|死亡シーンが泣ける!史実・声優・名場面

アース
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呂氏四柱の一人・蔡沢(さいたく)。地味だけど、死亡シーンが名場面すぎて泣けるんです!飄々とした彼は史実でも実在したのか?気になりますよね!

キングダムで呂氏四柱の一人として登場した蔡沢(さいたく)。

昌平君や蒙武と比べると地味で活躍は少ないものの、登場する度に飄々とした受け答えで読者を魅了してきました。

そして迎えた死亡シーン。あの名場面は多くの読者の涙を誘いました。

そんな蔡沢とは、どのような人物だったのか?史実にも登場していたのか?そして死亡シーンの詳細とは?

担当声優・千田光男さん、麻生智久さんの情報も含めて、順番に見ていきましょう!

キングダム蔡沢(さいたく)プロフィール

「キングダム」45巻より

項目内容
名前蔡沢(さいたく)
称号剛成君(ごうせいくん)
初登場10巻(合従軍戦前夜編)
所属秦国(呂氏四柱の一人)
官職外交官(昭王時代には丞相を務める)
出身燕国
年齢70歳前後以上(昭王時代からの古参)
信条「強き者にのみ仕える」

蔡沢(さいたく)の死亡シーン|何巻何話で最期を迎えた?

「キングダム」45巻より

死亡巻数・話数

蔡沢が最期を迎えるのは、秦王・嬴政と斉王・王建による伝説的な「斉秦会談」の直後です。

漫画巻数は第45巻、掲載話数は第489話「蔡沢の矜持」となっています。

アニメでは第5シリーズ 第13話(最終話)「蔡沢の矜持」で描かれました。

死因と最期の瞬間

蔡沢の死因は老衰および病による寿命でした。

中華統一への道筋となる斉王との会談を成功させ、さらに趙国宰相・李牧との会談に向かう嬴政の背中を見送った後、座ったまま安らかに息を引き取りました。

会談中、彼は何度か胸を押さえる仕草を見せており、自身の命が尽きかけていることを自覚しながら交渉の場に座っていたのです。

嬴政が次の交渉相手である李牧のもとへ向かう際、蔡沢は「大王様、ご武運を」と手を合わせ、その背中を見送った直後に息を引き取ります。

その死に最初に気づいたのは、長年の好敵手であり友とも呼べる斉王・王建でした。

王建は動かなくなった蔡沢に対し、「なんとかもったな」と声をかけ、その労をねぎらいました。

秦国からはその功績を称えられ、国葬級の葬儀が執り行われています。

蔡沢(さいたく)の性格と人物像

「強き者にのみ仕える」現実主義者

蔡沢の最大の特徴は「強き者にのみ仕える」という信条です。

これは単なる事なかれ主義や日和見ではなく、「自分の理想を実現できる器=強者」にのみ自分の才覚を捧げるという、徹底した合理主義の表れでした。

目先の勝ち負けではなく、10年・20年スパンでの国際情勢、人口動態、各国の国力推移を見て誰に賭けるか判断するスタイルを貫いていました。

老獪だが茶目っ気のある人物

会話では終始ニヤついたり、わざと相手を試す物言いをする蔡沢。

ただし政や呂不韋、斉王との駆け引きでは、一度本腰を入れると極めて鋭い分析と決断を見せるギャップ型キャラクターでした。

理性的すぎて周囲を批判しがちな面もあり、その鋭さをオブラートに包むように軽めな言動を見せることもありました。

戦争嫌いの「外交至上主義者」

あくまで「外交」で戦争を避けたり、有利に終わらせることを狙うタイプの人物です。

合従軍戦直前の「秦・斉同盟」のように、戦わずして敵の一角を無力化することを最高の仕事と考えていました。

武力ではなく「言葉」と「交渉」で国を救う、作中屈指の外交官として描かれています。

蔡沢(さいたく)の能力と強さ

圧倒的な外交交渉力

蔡沢の最大の武器は、その圧倒的な外交交渉力です。

作中最大の実績は「秦・斉の長期同盟をまとめ上げたこと」でしょう。

これは敵国・斉の利害と、秦の中華統一構想を絶妙にすり合わせ、当面の戦争を回避しつつ、将来的に秦が主導権を握る布石を打った外交として描かれています。

3年がかりで燕との交渉を成功させるほどの長期交渉力・説得力・忍耐力を持つ人物でした。

国際情勢分析力

合従軍戦前夜の段階で、「趙・楚・魏・韓・燕・斉」のうち、どこが秦にとって最大の脅威か、どこを「味方」に引き込むべきかを多角的に分析していました。

単純な軍事力の比較ではなく、「地理」「補給」「国民性」「王の器」まで加味して判断する描写が印象的です。

説得・心理操作の技術

斉王との会談では、斉にとって戦わない方が得であることを、数字・歴史・感情の全部を使って説き伏せていきます。

一方で政や呂不韋を相手にする場面では、あえて挑発・試しを入れて相手の「覚悟」や「器」を見抜く老獪さを見せました。

蔡沢(さいたく)と主要キャラとの関係性

嬴政(えいせい)との関係

蔡沢にとって嬴政は「この若者は本当に中華統一の王足り得るのかを見極めようとする対象」でした。

政の理想主義と、蔡沢の現実主義が丁々発止でぶつかりますが、最終的には「この王になら自分の才覚を託せる」と判断します。

政が「天下の大義」「民のための統一」というビジョンを語り、それに対し蔡沢が「理想だけで中華は取れぬ」と冷水を浴びせる場面は印象的でした。

その上で、「それでもやり遂げる」と言い切る政の覚悟を見て、斉との会談に本気で動き出します。

呂不韋(りょふい)との関係

呂不韋にとって蔡沢は「自派に引き入れたいが、完全には支配できない危険な才覚の持ち主」でした。

蔡沢側から見れば「巨大な商人政治家として一目置くが、最終的な王の器は政の方にあると見抜いた相手」という位置づけです。

呂不韋陣営に身を置きつつも、決して全面的な忠誠は誓わない立ち回りが描かれています。

斉王・王建との関係

中華随一の富国である斉と秦を結びつけた「歴史的大交渉」の相方が斉王・王建です。

斉王は当初、秦と盟を結ぶことに強い警戒を示しますが、蔡沢との対話を通じて「このままでは斉もいずれ戦火に飲み込まれる」と理解する流れになります。

長年の好敵手であり友とも呼べる関係となり、蔡沢の死に最初に気づいたのも王建でした。

蔡沢(さいたく)の活躍年表

時期・巻数出来事
昭王期以前燕出身として諸国を放浪し、各国で弁舌を振るう。秦に辿り着き、その才能を認められ外交を担当するようになる
昭王期丞相を務める。秦の二代前の王から仕え、外交官として活躍
10巻呂氏四柱の一人として初登場。蒙武に「貴様よりも強い男が一人いる」と昌平君を指し示す
40巻呂不韋と舌戦を繰り広げる嬴政の「人の本質は光」という言葉に心を動かされる
合従軍戦前秦・斉同盟の締結に着手。斉王に対して秦と戦うメリット・デメリットを説き、斉を合従軍から実質的に離脱させることに成功
45巻(489話)斉王を秦の咸陽へと連れてきて会談を実現。斉王から「秦の戦い一切を静観する」と口約束を得る。嬴政が李牧との会談へ向かう背中を見送った後、静かに息を引き取る

蔡沢(さいたく)名場面を解説!

「キングダム」45巻より

斉王との会談シーン

10巻初登場時に嬴政に言った「強き者にのみ仕える」という言葉。

その言葉通り、まさに強くなった嬴政が呂不韋を負かす場面を40巻で目の当たりにします。

さらに呂不韋との舌戦で聞いた「人の本質は光だ」という言葉に、心を動かされた蔡沢。

45巻で、斉王を秦の咸陽へと連れてきます。

そこで改めて中華統一への道を「全てを平等とする法治国家だ」と説明する嬴政。

その説明に斉王は「秦の戦い一切を静観する」と口約束ながらも同盟、最終的には「降る」約束を口にします。

全ては蔡沢が単身で行った会談ですが、斉という一国を降らせる結果をもたらせます。

最期の言葉

斉王との会談が終わった後の嬴政に「李牧が最大の障壁」と伝え、次の李牧への会談へ急ぎ行くよう示します。

そして嬴政が行った後、そのまま静かに息を引き取ります。

非公式ですし確定ではないですが、その外交力で一国を降らせた蔡沢。

そのように自分を動かした嬴政に感謝の言葉を伝え「呂不韋との舌戦に光を教えてくださった。あの言葉には本当にシビレた」と言いますが、このセリフに読者はシビレますよね!

自分の心を動かした嬴政を信じ、命をかけて斉王を動かした蔡沢はホント魅力的ですし最高でした!

この会談シーンには、蔡沢の長い人生が全て詰まっているようにも感じましたよ。

鄴陥落への伏線

ちなみにこの会談で得た斉王との同盟のおかげで、鄴陥落時の食料配給が叶う事になったんですよね。

この斉王との会談がなければ、鄴を落とした秦兵に食料が届くことは無かったでしょう。

つまりは鄴陥落も蔡沢のおかげとも言えますし、鄴陥落最後のシーンへの伏線でもあったと言えるかなと。

そう考えると、本当にスゴい会談ですよね!

蔡沢が取りはからった嬴政と斉王の会談。

蔡沢の人生と矜持が全て描かれている、最高な名シーンでした!

蔡沢(さいたく)の役割と立ち位置

政×呂不韋の「中立に立つ第三極」

蔡沢は呂不韋配下「呂氏四柱」のような完全な呂不韋側でもなく、昌文君・王騎のような完全な政側でもありませんでした。

あくまで自分の理念に従い、「最終的に中華を統一できる方」に付くと公言しています。

その結果、物語上は政側に大きな外交的成果をもたらす人物として機能しました。

「戦場外で秦を救う」タイプの戦力

王騎・桓騎・李信らが戦場で敵国を削るのに対し、蔡沢は「敵国そのものを戦線から外させる」という別ベクトルの戦力でした。

特に「秦・斉同盟」によって、合従軍戦で秦が真正面から敵国6国すべてを相手にせずに済んだ点が、彼の功績の大きさを示しています。

前線での活躍は無いものの、「斉が戦線に出てこない=秦の東方が安全」であることにより、王翦・桓騎・騰らが西〜南方面に全戦力を集中できる布石となりました。

ここが「戦場には出てこないが、合従軍戦の勝敗を根本から左右した陰の立役者」として評価されるポイントです。

人事の究極形

蔡沢のキャラクターは、「人事の究極形」とも評価されています。

経営と現場の橋渡し役となり、大事に至る前に調整できる存在として、組織における重要な役割を担いました。

「想い」を「繋ぐ」ことが彼の大きな仕事の一つであり、戦争という手段に至る前に外交で解決する姿勢は、現代の組織論にも通じる知恵を持っていたと言えるでしょう。

史実の蔡沢(さいたく)を解説

史実における蔡沢の経歴

蔡沢は史実にも登場する人物です。

ほぼ「キングダム」に登場する通りの人物となっており、昭襄王・孝文王・荘襄王・嬴政(始皇帝)という秦の4代の王に仕えた稀有な政治家でした。

昭王の時代には丞相を務めています。

そして燕の外交官として活躍し、3年かけて秦との同盟を成功させ燕から人質として太子丹を出させています。

范雎との舌戦

史実における蔡沢の最も有名なエピソードは、秦の丞相・范雎との舌戦です。

范雎に「あなたの寿命はあと43年です」と予言し、「良い物を着て、旨い物を食べて宰相として王の前で威張るという満足を貪るなら、引退した方が良い」と説得して、丞相の席を譲り受けることに成功しました。

若き日の蔡沢は、著名な人相見である唐挙に「あなたの寿命はあと43年だ」と予言されたという逸話があります。

これに対し蔡沢は「43年も贅沢な暮らしができ、君主と対等に話せれば十分だ」と豪語し、その予言通りに出世を果たして天寿を全うしたとされています。

史実における最期

興味深いことに、史実の蔡沢はキングダムで描かれたような早期の死を迎えていません。

実際の歴史では、紀元前219年の始皇帝巡幸の際、瑯琊台刻石に功臣として名前が刻まれていることから、失敗することなく天寿を全うしたと考えられています。

つまり、蔡沢は秦の中華統一(紀元前221年)の直前まで生存していた可能性が高く、キングダムでの45巻(紀元前237年頃の斉王との会談時)での死亡は、史実とは異なる原作オリジナルの展開です。

数ヶ月で宰相を辞任しており、「功成った後は速やかに身を引くべき」という処世術を心得ていた人物とされ、長生きをして秦王政(始皇帝)の代まで仕えました。

キングダム蔡沢の声優を紹介!

第1期〜第4期:千田光男さん

項目内容
名前千田光男(せんだみつお)
生年月日1940年3月1日
没年月日2022年8月7日
享年82歳
血液型A型
出身地北海道
所属81プロデュース

TVアニメの声優もこなしていますが、主に洋画の吹き替えがメインで仕事をされていました。

「ハリー・ディーン・スタントン」や「ランス・ヘンリクセン」などを担当されています。

年齢が80歳を超えていたこともあり、ホント蔡沢のイメージにピッタリでしたよね!

第5期:麻生智久さん

項目内容
名前麻生智久(あそうともひさ)
生年月日1962年5月13日
年齢62歳
血液型O型
出身地神奈川県
所属青二プロダクション

千田光男さんの逝去に伴い、第5期から麻生智久さんが蔡沢役を引き継ぎました。

アニメでの斉王会談シーンで、麻生智久さんの演技が見られるのがホント楽しみですよ!

蔡沢(さいたく)FAQ

Q1:蔡沢は何巻で死亡しましたか?

A:蔡沢は第45巻・第489話「蔡沢の矜持」で死亡しました。アニメでは第5シリーズ第13話(最終話)で描かれています。

Q2:蔡沢の死因は何ですか?

A:老衰および病による寿命です。斉王との会談を成功させた後、嬴政の背中を見送りながら静かに息を引き取りました。

Q3:蔡沢は史実に実在した人物ですか?

A:はい、実在の人物です。史記などに記録が残っており、秦の昭襄王から始皇帝まで4代の王に仕えた外交官・政治家でした。

Q4:蔡沢の最大の功績は何ですか?

A:秦・斉同盟を成立させ、合従軍から斉を離脱させたことです。これにより秦は6国すべてを相手にせずに済み、合従軍戦を乗り切ることができました。

Q5:「強き者にのみ仕える」とはどういう意味ですか?

A:単なる権力への迎合ではなく、「中華を統一できる真の器を持つ者」にのみ自分の才覚を捧げるという蔡沢の信念を表しています。

まとめ

さて、今回は蔡沢を見てきました。

呂不韋や昌平君・蒙武と同時期に登場しながらもその後登場回数は少なく、45巻で退場した蔡沢。

しかしその最後の登場シーンはキングダム指折りの名場面であり、最高な名シーンでした!

「強き者にのみ仕える」という信念を貫き、最後は嬴政に全てを託して静かに息を引き取る姿は、多くの読者の涙を誘いました。

戦場には出てこないものの、外交という形で秦の中華統一に大きく貢献した蔡沢。

その人生と矜持が全て詰まった斉王会談のシーンは、何度読んでも心を打たれます。

アニメでも、もう少し先で見られるでしょう。

要チェックですよ!

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