34巻で完全に幕を下ろした「進撃の巨人」。
138話でいきなり登場したエレンとミカサのif世界からループ説信者達は一気にヒートアップしましたが、本誌掲載の最終話ではそれ以上のループ示唆描写は登場せず、幕を下ろしました。
その後、34巻の加筆部分で登場したミカサと始祖ユミルの会話から頭痛伏線が回収がされ、その意味も明らかとなりました。
これらの加筆部分や伏線回収から、「進撃の巨人」ループ説信者としてはどのように意味を受け止めれば良いのでしょうか?
あくまでアース個人の解釈として、「進撃の巨人」ループ説の読み方とその意味を解説していきたいと思います。
「進撃の巨人」のループ伏線とは何だったのか?
見て行きましょう!
進撃の巨人ループは何を表していたのか?

「進撃の巨人」はループモノである、というループ説は初期の頃から根強くありました。
この辺りについては「進撃の巨人」ループ説を検証!にてまとめていますので、見てみてください。
「進撃の巨人」の世界がループしている、と考えた時は間違いなくミカサがメインとなっており「ミカサの頭痛」がキーとなると考えられてきました。
- 第2話「その日」にてエレンの母親でミカサの養母であるカルラが巨人に殺された場面
- 第5話「絶望の中で鈍く光る」にて避難出来なかった母子を助けた場面
- 第7話「小さな刃」にてエレンの死を聞いた後にガス切れで落ちた場面
- 第29話「鉄槌」にて女型の巨人にエレンが食べられるのを見た場面
- 第45話「追う者」にてライナー達にエレンが連れ去られた事を聞いた場面
- 第83話「大鉈」にて、アルミンが瀕死の状態になっている所を発見した場面
- 第109話「導く者」にて、ルイーゼの敬礼を見た場面
- 第112話「無知」にて、エレンからアッカーマン一族の習性を説かれている場面
- 第138話「長い夢」にて、エレンの死を覚悟した時と殺すしかないと決心する場面と夢を見る前の3回
多くはミカサが大切な人を失った時、失いそうになった時に起こっていた頭痛。
ミカサの頭痛からループ説を検証!では、頭痛は「ミカサの逃避」タイミングで起きており、それがループ発動のキッカケなのではと考察していました。
そのミカサの頭痛が最終巻34巻の加筆ページで、「始祖ユミルが起こしていた」と分かりました。
進撃の巨人ループ伏線の頭痛は始祖ユミルが起こしていた

34巻の加筆ページで明らかとなったミカサと始祖ユミルの会話。
注目すべきは、この時の「ずっと私の頭の中を」というミカサの発言です。
ここから「ミカサの頭痛は始祖ユミルが頭の中を覗いていたから起こっていた」と、察せられますよね。
ミカサのループ伏線である頭痛を起こしていたのが始祖ユミルとなると、ループを起こしていたのもミカサではなく始祖ユミルだったと考えられます。
さらに深堀りして行きましょう!
進撃の巨人ループは始祖ユミルが起こしていた!

139話で、始祖ユミルが二千年間待っていた人物がミカサだったと、エレンの発言から確定されました。
これはエレンから見ればその通りでしょうし、実際ミカサの登場により巨人の力は消えユミルは解放されました。
ただ、ループ説を取った場合、それだけではありません。
今回のルートを取らない場合、始祖ユミルがミカサにやり直しをさせていたという展開もあったはずです。
自分を解放させてくれる可能性があるミカサに興味を持ち(エレンに執着するミカサに自分を見たか)、納得できないルートを取った時にやり直しをさせていた。
34巻ラストが納得できるラストであり、それで彼女は解放された。
例えば138話のif世界も以前のルートであり、始祖ユミルとしては納得できなくやり直しをさせていた、と言うことにもなりそうですよね!
34巻の加筆ページから頭痛の原因がユミルであったことからこのような見方をすると、ループは始祖ユミルが起こしていたということになりそうです。
進撃の巨人ループ説信者にとっては愛と自立の物語だった
ループ信者だったアースですが、これまでは「ミカサがエレンの為にループを起こしている」と考えていました。
しかし34巻加筆ページから、始祖ユミルが自身の解放の為にミカサをループさせていた、と分かりました。
では、始祖ユミルは具体的に何のためにミカサをループさせていたのでしょうか?
「自身の解放」とは、何なのか?
「34巻加筆ページを考察!」でも考察していますが、加筆ページの「槍からフリッツ王を守らない描写」にヒントがあると考えています。

34巻加筆ページでミカサの話を聞く始祖ユミル。
「あなたの愛は長い悪夢だった」「それでもあなたに生み出された命があるから私がいる」という言葉から、フリッツ王をかばわず3人の娘に寄り添う始祖ユミルの場面が登場します。
これは122話でフリッツ王を槍からかばった場面の、もうひとつの展開ですね。

この時にフリッツ王をかばわない展開をイメージした始祖ユミルは、そのまま解放されたかのように消えていきます。
これ、「愛する人を殺す」というミカサの行為と重なりますよね!

愛する人を斬ったミカサと愛する人を見捨てるユミルは、重なります。
愛する人を見捨て切れなかったユミルが、もうひとつの選択をするミカサを見たかった、出会いたかったためにループさせていたと考えられます。
これに関して、Ooさんから素晴らしいコメントをいただいております。
一部抜粋して紹介します。
ループする物語って、
「ループする能力を持った人間が、『もうこれでいい』と思わないとループが終わらない」
ものだと思っています。
登場人物達が「最高の終わり方だ」と思っても、
ループ能力を持った人間が「もっと良い未来がある」「まだ納得できない」
と思えばループするし、
逆に登場人物達が「もっと良い未来がある」「まだ納得できない」
と思ってもループ能力を持った人間が
「もうこれでいい」と思えば、
ループは終わる。
ループ説をとった場合、
おそらくループ能力を持っているのはユミルです
そしてユミルがループを断ち切る納得を得られるのは、
多くの人が救われる結末でもなく、
ミカサとエレンが結ばれる結末でもなく、
「マフラーは巻くがエレンを殺す」
という結末だったのではないでしょうか
あなたを愛しているがそこに縛られているわけではない、
という愛と自立
愛と自立はときに矛盾するものであるけれど、
その矛盾の中でもがいて選んだものこそ「自由」であり、
ユミルに「もうこれでいい」と思わせたのではないかと思います。
フリッツ王への愛とフリッツ王からの自立
それがユミルの納得した答えであり、
ループを終わらせる答えだったのかと思います。
これ、素晴らしい考察ですよね!
138話の夢はエレンが見せた?ミカサループ説を最終話を踏まえ徹底検証!のコメント欄で全文が読めますので、ぜひ。
フリッツ王への愛とフリッツ王からの自立という矛盾した答えをミカサに求め、ループし続けていた。
最後に求めていた答えを手に入れループが終了し、ユミルが解放されエンドした。
つまりは始祖ユミルとミカサの愛と自立の物語が「進撃の巨人」と言えますよね!
ループ説信者として物語を読んできて良かったな!と感じた読み方でした!
Ooさん!
素晴らしい考察をありがとうございます!
今回のループ考察で、「進撃の巨人」は始祖ユミルとミカサの愛と自立の物語であると分かりました。
「進撃の巨人」のもうひとつの物語、みたいな読み方ですよね。
こんな読み方、大好きですよ!\(^o^)/
最高な締めくくり方だったな、と改めて感じた「進撃の巨人」最終話考察でした!






