趙の元三大天・廉頗は、18巻の山陽攻略戦で蒙驁将軍と激戦を繰り広げた伝説の将軍です。
あれから長い時を経て、ついに廉頗四天王のメンバーが再登場しました。
この記事では、廉頗四天王の最後と再登場の可能性を徹底解説します。
史実の情報も交えながら、順番に見ていきましょう!
廉頗(れんぱ)プロフィール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 廉頗(れんぱ) |
| 所属 | 元・趙国三大天 → 魏国大将軍 → 楚国(亡命) |
| 異名 | 生ける伝説、戦の大天才 |
| 身体的特徴 | 巨体、白髪混じり、全身に古傷 |
| 武器 | 長大な大剣 |
| 声優 | 楠見尚己 |
| 初登場 | 長平の戦い回想、本格登場は山陽平定戦 |
廉頗は死亡?それとも生存?
**77巻・第856話時点での廉頗の状況**
77巻時点において、廉頗は楚国に亡命したまま生存しています。
山陽の戦い後、魏を見限って楚へ移籍した廉頗は、楚の宰相・春申君から厚遇を受けており、合従軍編では総大将就任の打診を受けるほどの扱いを受けていました。
しかし77巻で描かれる韓攻略戦(紀元前230年)では、廉頗の直接的な登場や言及はありません。
物語上、廉頗は「楚にいる最強クラスの老将」「もし出てきたら秦にとって最大級の脅威」という”影の大物”として存在し続けています。
**史実における廉頗の最期**
史実においても、廉頗は趙の悼襄王との不和から国を追われ、魏を経て楚へと亡命しています。
楚では将軍として用いられることはなく、「趙で指揮を執りたい」と願いながらも叶わず、楚の寿春で病没したと『史記 廉頗藺相如列伝』に記録されています。
アニメ版『キングダム』では、廉頗の最期が意図的に描かれていないことが特徴となっており、この「描かれない最期」は王騎の壮絶な死のシーンとは対照的に、沈黙という形で彼の存在を永遠化する演出となっています。
廉頗の性格と人物像
**豪放磊落な戦好き**
廉頗は戦場でも酒をあおり、大声で笑いながら前線に出るなど豪快な性格の持ち主です。
「戦が廉頗の全てだ」という名言が示すように、彼にとって戦場は単なる職務の場ではなく、「生きる証」そのものでした。
国がどうのこうのというよりも、戦で勝利することが何よりの喜びであると実感しており、その生涯を戦に捧げた武人です。
**繊細で武人の矜持を重んじる一面**
豪快な外見とは裏腹に、兵の死や愚かな君主の采配で無駄死にが出ることを心底憎む繊細さも持ち合わせています。
長平の戦いで趙王・悼襄王に更迭された過去を今も悔いており、「あのまま自分が指揮を続けていれば……」という悔恨を抱え続けています。
廉頗四天王を「我が子のように」信頼し、彼らが散る際には涙を見せる場面も印象的で、武だけでなく情にも厚い人物であることが描かれています。
**敵味方を問わず強者を愛する**
王騎・白起ら秦の怪物たちを”好敵手”として認め、敵国であってもその実力を素直に称賛します。
王騎の死を知った際には激しく憤り、国境を超えて弔いに来た場面や、蒙驁との戦いの最中に「酒を酌み交わしたい」と語るなど、かつての敵対者たちへの深い敬意と愛を持っています。
山陽戦では、若き信・王賁・蒙恬たちの中に「次世代の六大将軍級の芽」を見出し、老将として満足げに戦場を去る姿が描かれました。
廉頗の強さと戦闘能力
**個人武力:老いてなお現役トップクラス**
老齢でありながら、一騎討ちでも現役トップクラスの実力を誇ります。
巨大な武器を軽々と振るい、複数の武将をまとめて吹き飛ばす描写があり、「肉体の衰え」を自覚しつつもなお、それを経験と勘で補って余りある化け物級の武勇を持っています。
史実における有名なエピソードとして、趙王が使者を送った際、廉頗は「米一斗(約10合)と肉十斤(約2.2kg)」を平らげ、馬にまたがって健在ぶりをアピールしたという逸話が残っています。
**軍略:正攻法の極致**
廉頗の代名詞は「正攻法」です。
奇策や罠よりも、練度の高い兵と鉄壁の布陣で真正面から押し潰す王道スタイルを貫き、それでも”正面から来られると、誰も止められない”とまで恐れられています。
ただし知略がないわけではなく、自軍には玄峰のような専任軍師を置き、柔軟な運用も可能な”総合力のバケモノ”として描かれています。
**作中での評価**
王騎と並び称される「戦神」世代の一人であり、長平期の趙軍が秦と互角以上に渡り合えたのは、「廉頗がいたから」と説明されるほどの存在感を持っています。
山陽戦でも、蒙驁・王翦・桓騎という錚々たる顔ぶれの秦軍を相手に、一歩間違えば秦が敗北していたと評されるレベルで互角以上に渡り合いました。
廉頗と主要キャラクターの関係性
**王騎との宿命のライバル関係**
廉頗と王騎の関係は、単なる敵対関係を超えた深い絆で結ばれていました。
二人は「秦六大将軍」と「趙三大天」という敵国同士の最高峰でありながら、戦場で命をかけて戦った友として互いを認め合っていました。
特筆すべきは、廉頗が王騎の静養中に国境を越えて直接お見舞いに訪れたという逸話です。
これは敵国の将軍としては異例の行動であり、二人の間に存在した特別な信頼関係を物語っています。
王騎の死を知った廉頗は「勝手に俺を置いて死にやがって」と憤るなど、戦友を失った深い悲しみを露わにしました。
**白起との因縁**
長平の戦いで対峙した秦の大将軍・白起とは、直接の一騎討ち描写はありませんが、「白起と渡り合えた唯一の趙の総大将」という位置づけです。
廉頗が更迭されて趙括に替えられた結果、趙軍は大敗し40万が生き埋めにされる悲劇へとつながりました。
**信との世代交代**
山陽戦で初めて直接対面する”新世代側の主人公”である信に対し、当初は「ただの小童」と見ていましたが、輪虎を討ち取るまで成長した信を”六大将軍級の器”として認めます。
撤退時、信に対して「お前がいる限り、秦はさらにとんでもない国になる」といった趣旨の言葉を残し、次代を託すような去り方をしました。
**藺相如との刎頸の交わり**
廉頗の人柄を象徴するのが、同じく趙三大天であった藺相如との関係です。
当初、口先だけで出世した藺相如を嫌っていましたが、藺相如が国のために廉頗との争いを避けていたことを知り、自ら衣を脱いで「荊(いばら)の鞭で打ってくれ」と謝罪しました。
これにより二人は「互いの首をはねられても悔いはない」という固い友情(刎頸の交わり)を結び、作中でも廉頗は亡き友・藺相如との約束や思い出を胸に刻んでいます。
キングダム廉頗四天王とは

廉頗四天王とは、廉頗直属のエリート四部隊指揮官たちの総称です。
山陽の戦いでその実力が描かれ、秦軍を大いに苦しめました。
それぞれが個性的な能力と廉頗への深い忠誠心を持つ精鋭たちです。
介子坊(かいしぼう)
四天王筆頭のポジションであり、廉頗の右腕とされる武闘派の介子坊。
廉頗に匹敵すると言われる怪力の持ち主で、正面突破を得意とします。
山陽の戦いでは対峙した桓齮との相性が悪く、劣勢となります。
20巻で玄峰とバトンタッチしますが、それをキッカケに死亡させてしまいます。
さらに終盤となる23巻では最後まで負けを認めず、廉頗に食い下がっていました。
廉頗四天王が活躍する山陽の戦いでは良いところがなく、どちらかというと地味な役回りとなっていたように見えます。
しかし終盤22巻で蒙恬に向かい「何じゃ小娘ェ」と叫んだシーンは読者に強い印象を与えた名シーンとなっており、爪痕を残したように感じました。
山陽戦後は廉頗と共に楚へ亡命しており、生存しています。
姜燕(きょうえん)
中華十弓に数えられる弓の名手である姜燕。
もともとは小国の将軍であり、廉頗と互角に渡り合った実力の持ち主です。
弓を使って離れた部隊に指示を送る遠隔操作が得意であり、視界が狭い山での戦いで実力を発揮していました。
矢で指示を飛ばすなど広域な指揮能力も持ち合わせています。
21巻にて王翦に追い詰められ投降を促されますが、弓を打ち拒否。
廉頗への厚い忠誠を示していました。
介子坊と同様、山陽戦後は廉頗と共に楚へ亡命し、生存しています。
輪虎(りんこ)
もともとは戦災孤児だったところを廉頗に拾われた育てられた輪虎。
その武の才から「廉頗の剣」と称されるほどにまで成長し、王騎に一太刀浴びせたという伝説をも持つ将軍となっています。
高速の斬撃と奇襲を得意とする猛将で、双剣を操る戦闘スタイルが特徴です。
山陽の戦いでは18巻で300人を率いて次々と秦軍の千人将を暗殺し、この時に楚水の元上官である郭備千人将も倒しています。
最後には将軍を一人討つという離れ業を成し遂げます。
開戦後には、信と二度対戦。
最後は一瞬のスキを突かれ、信に討ち取られてしまいます。
玄峰を祖父として慕い廉頗を父として全てを捧げていたとも告白しており、武だけでなく情にも厚い人物だったとも察せられます。
その遺体は尊重されて廉頗のもとへ送られました。
玄峰(げんぽう)
廉頗軍の軍師として活躍した玄峰。
廉頗と輪虎の軍略の師ともされており、卓越した戦術眼で秦軍を翻弄しました。
20巻ではその軍略で、信と王賁を翻弄します。
しかし最後は桓齮の策の前に敗れ首をはねられ、討ち取られてしまいます。
そこでは最後の最後まで軍師として桓齮に軍略を説き、「さすがは廉頗四天王の軍師」読者に感じさせました。
武力はありませんでしたが、知略面で廉頗を支え続けた重要な存在でした。
廉頗の戦歴と年表
| 時期 | 出来事 | 巻数 |
|---|---|---|
| 過去 | 長平の戦い:趙軍総大将として秦・白起と対峙。悼襄王の命令で趙括と交代させられ戦線離脱 | 10〜16巻前後(回想) |
| 始皇4年 | 山陽平定戦:魏の大将軍として秦軍(蒙驁・王翦・桓騎)と激突。四天王の輪虎・玄峰が戦死 | 18〜23巻 |
| 山陽戦後 | 魏を見限り楚へ亡命。介子坊・姜燕と共に楚へ | 23巻 |
| 合従軍編 | 楚の宰相・春申君から総大将就任を打診されるが断る | 30〜35巻前後 |
| 第701話 | 約500話ぶりに再登場。介子坊・姜燕と共に楚軍として登場 | — |
| 77巻時点 | 韓攻略戦では登場せず。楚に在住のまま | 77巻 |
廉頗の名場面・名シーン
**山陽戦・初登場時の圧倒的存在感**
巨体で酒をあおりながら高笑いする”豪快な老将”としての初登場シーンは、廉頗の人物像を強烈に印象付けました。
「正攻法の廉頗」として、真正面から秦軍を押し潰さんとする布陣は、まさに伝説の大将軍にふさわしいものでした。
**蒙驁との一騎打ち**
老将同士の意地のぶつかり合いとなった蒙驁との一騎打ちは、山陽戦のハイライトの一つです。
「黄金の刻(とき)は去った」と指摘された際も、廉頗は「あまり儂らをなめるなよ蒙豪」と答え、戦への未練と誇りを隠しませんでした。
**信たち新世代への承認**
山陽戦終盤、信らとの戦いを経て「秦は、まだまだ怪物を生み出す」「あやつらが育ち切った時、中華はどうなっておるかのう」といった趣旨の発言をする場面は、”旧世代から新世代へのバトン渡し”を象徴する名シーンです。
「止(や)めじゃ 帰るぞ」「儂らの負けじゃ」と号令し、若き世代への承認を示した姿は、多くの読者の心に残りました。
**廉頗四天王との父子のような絆**
軍師・玄峰との戦略会議、輪虎との信頼関係など、父子のような温かさが垣間見える場面は、廉頗の人間性を深く描いています。
廉頗は彼らを”我が牙”と呼び、誰よりも信頼していました。
物語における廉頗の役割と立ち位置
**世代をつなぐ橋渡し役**
廉頗は”昭王・六大将軍世代”と”信たち新世代”をつなぐ橋渡し役として機能しています。
王騎が語る「昭王の時代の怪物たち」を、実際に画面に登場させて見せることで、かつての中華のレベルの高さを読者に体感させる重要な役割を担っています。
**正攻法の極致としての対比**
奇策・ゲリラ戦の桓騎、理詰めの知略家・王翦、本能型の麃公・信といったキャラクターと対比される存在として、”教科書通りの戦術を極限まで鍛え上げるとここまで強い”という戦い方を体現しています。
**老将の美学の体現者**
自国の愚王・腐敗した貴族への反発、魏をも見限ってなお「自分の戦い方」を貫く頑固さを持ちながら、新世代の台頭を素直に喜び「ワシらの時代は終わるが、それもまた良い」と受け入れる器の大きさを示しています。
**将来の再登場への伏線**
楚に移ったまま生存しているため、物語後半で「楚大戦編」などが来た際、再登場→信たちとの最終決戦という展開の余地を残しているキャラクターでもあります。
アニメ版・実写版での廉頗
**アニメ版での扱い**
TVアニメ『キングダム』では、山陽平定戦を描くシーズンで廉頗が本格登場します。
声優は楠見尚己が担当しており、低く渋い声質で、豪放な笑いと老獪な語りを併せ持つ演技が、廉頗像と非常にマッチしているとファンから高い評価を受けています。
アニメ第2期第14話「その男、廉頗」では、廉頗の最期が意図的に描かれていないことが特徴となっており、この「描かれない最期」は王騎の壮絶な死のシーンとは対照的に、沈黙という形で彼の存在を永遠化する演出となっています。
**実写映画版**
2024年時点で公開されている実写映画『キングダム』シリーズ第1〜4作は、物語がまだ山陽戦以前の段階で止まっているため、廉頗は未登場です。
今後のシリーズ展開次第では、実写版での廉頗の登場も期待されます。
キングダム廉頗四天王の再登場と介子坊の小娘ェは再びある?

701話にて久々に登場した廉頗四天王。
と言っても山陽の戦いを生き残った介子坊と姜燕だけなのですが、廉頗とともに楚軍として戦う姿が描かれていました。
趙の元三大天であった廉頗としては再び趙軍として戦いたい気持ちから、趙へ帰ろうと算段しますが叶わず701話は終わりました。
今後、廉頗が再び戦う展開はあるのでしょうか?
史実から廉頗は趙には帰れず楚で亡くなったとされています。
ここから、廉頗が再び秦と戦うことは無いように予想されますよね!
ただし、廉頗が楚で生存しているまま物語が進行しているため、「楚対秦の最終決戦」での再登場・再戦は十分にあり得る布石として残されています。
介子坊が蒙恬に「何じゃ小娘ェ!」と叫ぶシーンをまた見たかったのですが…(泣)

77巻時点では、韓攻略戦が描かれており廉頗の登場はありませんが、秦が楚を攻略する段階になれば、楚の将軍として再び登場する可能性は残されています。
おそらくは701話が廉頗と介子坊・姜燕の最後の登場なのでは、と察せられますよ。
廉頗に関するよくある質問(FAQ)
**Q1. 廉頗は最終的にどこの国の武将になるの?**
A. 作中現在は趙→魏→楚と渡り歩き、楚に身を置いています。楚からは合従軍総大将級としても扱われるほど厚遇されていますが、本人は「自分の戦い方」と「納得できる戦場」を最優先しています。
**Q2. 廉頗は史実ではどうなった人物?**
A. 史実の廉頗(戦国趙の名将)も、趙→魏→楚と仕え先を変えたことで知られます。『キングダム』の廉頗もこの史実を下敷きにしており、「まだ戦える老将が国に見限られ、他国で活躍する」というドラマ性を大きく膨らませたキャラクターになっています。楚の寿春で病没したとされています。
**Q3. 廉頗は王騎や龐煖と比べてどのくらい強い?**
A. 個人武勇も軍略も”世代トップクラス”で、王騎と肩を並べる存在として描かれます。一騎討ち限定の”怪物性”では龐煖や汗明のような化け物に一歩譲る可能性もありますが、「大軍を率いた総合力」では中華トップクラスと言って差し支えない描写となっています。
**Q4. なぜ趙王は廉頗を更迭したの?**
A. 長平戦での慎重な持久戦方針を「臆病」とみなし、より積極的な攻勢を主張した趙括に総大将を交代させたからです。これは悼襄王との確執が直接の契機となっており、結果として趙軍は壊滅し、趙に取り返しのつかない禍根を残すことになりました。
**Q5. 今後、信と廉頗が再戦する可能性はある?**
A. 廉頗が楚で生存しているまま物語が進行しているため、「楚対秦の最終決戦」での再登場・再戦は十分にあり得る布石として残されています。ただし77巻・856話時点までは、そのような本格再登場は描かれていません。
**Q6. 廉頗四天王で生き残ったのは誰?**
A. 介子坊と姜燕の二人が生き残り、廉頗と共に楚へ亡命しています。輪虎は信に討たれ、玄峰は桓騎に暗殺されました。
今回は廉頗四天王について見てきました。
廉頗と四天王の登場はもう無いと予想しましたが、まだアニメや実写映画での登場はありますよね。
アニメでの登場、さらに実写映画での廉頗の登場が楽しみですよ!(^^)







