秦の第一将である王翦軍随一の智将・田里弥(でんりみ)。
田里弥(でんりみ)と聞いてパッと顔を思い浮かべられる人は、けっこう読み込んでいる人でしょう。
さらに「王翦軍第3将から2将に昇格した、おかしなポーズするあいつでしょう」と説明出来る方は、むっちゃコアなキングダムファンでしょう(笑)
なぜ田里弥は、第3将から第2将に昇格できたのか?
どんな大手柄を挙げた将軍だったのか?
さらに、随一の智将でありながら天然ギャグキャラって、どんな将軍なの?
そして番吾の戦いで迎えた壮絶な最期とは?
順番に見て行きましょう!
キングダム田里弥(でんりみ)プロフィール
| 項目 | 内容 |
| 名前 | 田里弥(でんりみ) |
| 初登場 | 54巻583話@鄴攻略戦編(朱海平原の戦い) |
| 所属 | 王翦軍第三将→第二将 |
| 武器 | 智略 |
| 位 | 将軍 |
| 戦闘スタイル | 軍師タイプ(自ら矛を振るわない) |
| 特徴 | 常に考え込んでいる三白眼の知将 |
| 生死 | 死亡(番吾の戦いにて戦死) |
| 史実 | 史実には登場しないオリジナルキャラクター |
キングダム田里弥(でんりみ)の死亡について
番吾の戦いでの壮絶な最期
田里弥は紀元前232年の番吾の戦いにおいて、壮絶な最期を遂げました。
王翦軍第一将の亜光が青歌軍の司馬尚に討たれた後、王翦を脱出させるために「本物の殿(しんがり)」を務めることを決意します。
満身創痍の状態で王翦の元に現れた田里弥は、倉央に「お前の殿は下手すぎだ!俺が真の殿を見せてやる」と告げ、王翦を守る最後の壁となりました。
王翦との絆
王翦は珍しく「ならん、お前も一緒に来い、田里弥」と言葉を発しましたが、田里弥は自分の武運もここまでと拒否し、王翦を逃がすために青歌軍の正面に立ち塞がります。
田里弥は百人将時代に王翦からスカウトされており、「我が軍に来い、千人将にしてやる」と声をかけられた過去があります。
まだ若く兜を被っていない王翦との回想シーンが描かれ、長年にわたる主従関係の深さが示されました。
最期の言葉と死の瞬間
田里弥は王翦に「申し訳ありません。我ら側近の力不足でこのような事態に…しかし王翦様はここで…こんな所で終わりではなく、必ず復活しそのお力を…その日のために…亜光同様…我らは『捨て駒』となり王翦様を外へ…」と告げました。
配下の者に「三柱」を立てろと指示し、王翦と過ごしてきた日々を思い出しながら、最期に「どうか末永いご武運を!」と言葉をかけています。
血反吐を吐きながら懸命に指示を飛ばし、命を捨てて抗う兵達を率いた田里弥。
73巻793話で、田里弥は最後まで指揮をとりながら馬上で息絶えていました。
その姿を見たカン・サロは何もせず、その場を去っています。
田里弥の死に際して、司馬尚(カン・サロ)は矛を振り上げましたが下ろしました。
田里弥はすでに立ったまま息絶えていたのです。
この戦死により、王翦軍は第一将の亜光と第二将の田里弥という二人の重要な柱を失うという壊滅的な打撃を受けることになりました。
キングダム田里弥(でんりみ)とは
朱海平原の戦いで本格登場を果たした田里弥。
信の飛信隊と王賁の玉鳳隊が覚醒し、敵を後退させたことからの王翦将軍から「全軍前進」の指示を受けたのが田里弥でした。

「ハハ!」と答え、中央軍を全軍前進させる田里弥。
ここでも表れている通り、基本田里弥は王翦将軍のイエスマンであり王翦をかなりリスペクトしているキャラとなっています。
進軍しながら飛信隊と玉鳳隊の覚醒を見切っての作戦を立てた王翦将軍の読みの深さを探ります。

「…」と黙考する田里弥。
王翦軍切っての智将である田里弥は、王翦の読みを常に考え黙考することが多く第四将の倉央と対比されることが多々見られるキャラとなっています。
キングダム田里弥(でんりみ)の性格
寡黙で思考を巡らせる知将
田里弥は王翦軍の中でも口数が少なく、常に「…」と考え込んでいる姿が特徴的なキャラクターです。
会話も必要最低限で、結論や分析だけを端的に述べることが多い田里弥。
朱海平原十二日目、飛信隊と玉鳳隊の「覚醒」をいち早く察知し、なぜ王翦が王賁を右翼大将に据えなかったのか、なぜ右翼に一切援軍を送らなかったのかといった王翦の思惑まで延々と頭の中でシミュレートしている描写があります。
冷静・合理的だが情もある人物
朱海平原十五日目、王翦本陣が馬南慈・傅抵らの挟撃で危機に陥った際、田里弥は「本陣救出に引き返す」か「李牧本陣への突撃を優先する」かを天秤に掛け、最終的に王翦本陣救出ではなく李牧本陣攻略を優先する判断を下します。
これは冷徹にも見えますが、王翦の実力、右翼(飛信隊・玉鳳隊)の成長、蒙恬や王賁が間に合う可能性をすべて織り込んだ上で、戦局全体の勝利を最大化するための決断として描かれています。
部下と仲間を想う理性派
かつては「王翦軍一の殺傷部隊」と呼ばれる、非常に殺傷力重視の部隊を率いていた田里弥。
しかし後年の田里弥軍は「剛柔併せ持つ最賢の軍」と評されるようになっており、本人のスタイルも無闇な殺戮から、緻密かつ被害を抑えた運用へと変化していることが示唆されています。
番吾での最期も、王翦・亜光・倉央らを逃がす「盾」として死を受け入れる形であり、合理主義でありながら仲間のために自己犠牲も厭わない人物像が強調されています。
キングダム田里弥(でんりみ)の強さ・能力
王翦軍随一の智将
田里弥は自ら矛を振るうタイプではなく、完全に「軍師・用兵家として戦う将」です。
その武器は冷静な状況判断と、敵味方全体を俯瞰する広い視野にあります。
王翦軍内で「最賢」とされる部隊で、臨機応変に戦場へ対応できる柔軟性と、必要な場面では一気に敵を屠る剛腕を兼ね備えた軍勢と評されています。
田里弥軍の特徴
田里弥軍の兵士たちは個々の戦闘技術が極めて高く評価されており、戦いの中で直面する難敵に対してはその場で戦術を修正して対応する柔軟性を持っていました。
攻守の切り替えが自在で、柔軟性と剛力を併せ持つ部隊として知られていました。
公式ガイドブックによれば、田里弥は軍師としての資質も兼ね備えていたとされています。
王翦軍最強の殺傷部隊
番吾の戦いでは、田里弥軍は王翦軍で一番の殺傷部隊であることが判明しました。
少数で局面に入り込んで、将の首を取ってくる必殺の軍としての役割を担っており、その中核を担う武力として蛇輪公(だこうりん)、申赫楽(しんかくがく)、山秀(さんしゅう)の三人が紹介されています。
この田里弥軍の真の実力は李牧も知らない部分でした。
キングダム田里弥(でんりみ)と倉央(そうおう)との関係は

54巻583話にて登場する王翦軍第四将の倉央(そうおう)。
第三将である田里弥と会話することが多く、田里弥とは非常に対称的なキャラとなっています。
583話にて黙考し王翦将軍の読みを紐解いている田里弥に対し、後から登場した倉央は「飛信隊の覚醒をお読みになるとは」とサクッと王翦に声をかけ、「右翼は山を超えられますか、超えられませぬか?王翦様の読みは?」と直球で聞きます。
これに対し「いい加減にしろ!調子に乗りすぎだぞ!」と倉央に釘を刺す田里弥。
このように王翦を心底リスペクトし黙考して王翦の読みを探る田里弥と、王翦を尊敬しながらも気軽に声をかけられる倉央は非常に対称的なキャラとなっており、お互いの個性を引き立て合う関係となっています。
55巻601話ではとうとう出陣するお互いを鼓舞し合い「武運を祈る」「ああお前もな」と声を掛け合う熱い場面も登場しています。
寡黙な田里弥と口数が多く軽口もたたく倉央は真逆のタイプですが、同じ王翦軍として仲間意識を持ち、お互いに武運を祈り合う信頼関係で結ばれていました。
キングダム田里弥が第二将になった理由とは

田里弥が王翦軍第三将であり第四将が倉央と説明しましたが、当初王翦軍メンバーは以下のようになっていました。
- 第一将:亜光(あこう)将軍
- 第二将:麻絋(まこう)将軍
- 第三将:田里弥将軍
- 第四将:倉央将軍
ところが第二将の麻絋(まこう)将軍が朱海平原の戦いすぐの49巻で李牧に直接討たれ、死亡退場してしまいます。
そのため、田里弥は繰り上げで第二将となります。
ちなみに第四将だった倉央も、第三将となっています。
現在はこのようになっています。
- 第一将:亜光(あこう)将軍
- 第二将:田里弥将軍
- 第三将:倉央将軍
ちなみに62巻676話にて、二人の繰り上げ昇進が確認できます。
キングダム田里弥(でんりみ)戦歴年表
| 巻数・時期 | 主な出来事 |
| 54巻583話 | 朱海平原の戦いで初登場。王翦から「全軍出陣」の号令を受け中央軍を動かす |
| 54巻 | 飛信隊と玉鳳隊の覚醒を察知し、王翦の用兵意図を深く読み解く |
| 55〜56巻 | 中央軍の先鋒として一万を率いて出陣、趙将・共伯軍を突破しつつ李牧本陣へ迫る |
| 55巻 | 王翦本陣への挟撃発生時、本陣救出より李牧本陣攻略を優先する判断を下す |
| 57〜59巻 | 麻鉱戦死に伴い第三将から第二将へ昇格 |
| 73巻793話 | 番吾の戦いで王翦を逃がすため殿を務め、最後まで指揮をとりながら馬上で息絶える |
キングダム田里弥(でんりみ)の名場面を紹介!

飛信隊と玉鳳隊の覚醒を見抜くシーン
朱海平原十二日目、右翼で信と王賁がそれぞれ隊を覚醒させたことを、中央軍から冷静に見抜く田里弥。
そこから、王翦が王賁を右翼大将にしなかった理由や、右翼に援軍を送らない意図を延々と推論し、「考えすぎだな」と自嘲気味に結ぶモノローグは、田里弥の”思考魔”ぶりを象徴するシーンとなっています。
李牧本陣優先の決断
朱海平原十五日目、王翦本陣が馬南慈・傅抵の挟撃を受けて危機に晒された場面で、田里弥は「引き返して本陣救出」ではなく「李牧本陣への突撃継続」を選びます。
「王翦なら死なない」「右翼が必ず来る」と読み切った上で、戦全体を決める首級(李牧)に集中する判断は、冷静さと信頼の両方を感じさせる名判断として描かれています。
おかしなポーズでの指示出し
王翦軍切っての智将である田里弥は、剣を持ち自ら先陣きって出撃するタイプの武将ではありません。
そのため信や王賁、蒙恬のようなバトルでの名場面は登場していません。
その代わりに、隊に布陣の指示を出す場面が田里弥のバトル場面となります。
例えば57巻で全隊李牧の首を狙うという指示の時には、両掌を上にするポーズをしていました。
さらに閼与城攻めの時は下を向き、もう神頼みなのではみたいなポーズをしてします!

なんだか笑えるポーズですよね(笑)
呉鳳明と比べると、もうほとんどギャグポーズのような(笑)

王翦軍随一の智将ですがそのギャップから、むしろ王翦軍随一のギャグキャラのようにも見えます(笑)
番吾での無言の最期
司馬尚軍の猛攻で致命傷を負いながらも、田里弥は撤退の号令を出さず、自身はその場に踏みとどまり続けました。
やがてカン・サロが目の前に現れた際、田里弥は既に絶命しており、その姿は「死してなお敵を威圧している」ように描かれています。
知将でありながら最期は前線で戦い抜いて倒れるというギャップが強烈な印象を残す名場面となりました。
キングダム田里弥軍の山秀を紹介!

田里弥の部下で千人将に山秀という人物が703話に登場します。
武城攻めで大ハシゴをかけ「田里弥様の名を」と田里弥に心酔している千人将であることがうかがえます。
この山秀を見て倉央は「堅物ぞろいの田里弥軍で唯一笑える男」であり「俺あいつ大好きなんだよな」と評価しています(笑)
山秀は「かなり激情家で、戦いのたびに重傷を負いながらも毎回生還するため”不死身の山秀”と呼ばれる」と紹介されており、理性的な田里弥とは好対照のコンビとなっています。
どう見てもギャグキャラであり今後も登場するかは分かりませんが、田里弥隊では異彩を放っている人物なため要チェックです!
キングダム田里弥(でんりみ)の役割・立ち位置
王翦の”通訳”としての役割
王翦はほとんど心中を語らない寡黙な天才将軍であり、その意図や思考プロセスを読者に伝える「説明役」として田里弥が配置されています。
朱海平原で王翦の判断を逐一分析して見せるモノローグは、王翦の「勝つまで動かない」「勝てない戦はいっさい始めない」という哲学を読者に理解させる装置になっています。
王翦軍の”理性”そのもの
亜光・倉央・糸凌・山秀といった武闘派の中で、田里弥は唯一「大局観とリスク管理」を体現する存在でした。
桓騎や王翦の危うい一面に対しても、冷静に「この策は自軍にとってどの程度危険か」を測り、王翦軍を”無茶な特攻部隊”に堕させないブレーキ役を担っていました。
新世代三隊との橋渡し役
飛信隊・玉鳳隊・楽華隊を「覚醒しつつある次世代」として正面から評価し、彼らを王翦の戦略に組み込む視点を提供する田里弥。
それにより、「旧世代の怪物(王翦)と新世代の将軍候補たち」が同じ盤上でどう噛み合っていくか、という作品全体のテーマが立体的に見えるようになっています。
番吾編における”敗北の重さ”の象徴
第二次趙北部攻略戦は、王翦軍が初めて大規模に敗北し、亜光・田里弥という両輪級の将を失う戦いとなりました。
その中でも、田里弥の戦死は「王翦軍の頭脳の片翼がもがれた」ことを意味しており、今後の秦の趙攻略に重い影を落とす結果となりました。
キングダム田里弥(でんりみ)は史実に登場する?
田里弥は史実に登場しない、「キングダム」オリジナルキャラクターとなっています。
史実上の王翦にも、右腕となる有能な参謀がいたはずですが、その役割を担う創作キャラとして田里弥が配置されています。
キングダム田里弥(でんりみ)のアニメ・声優情報
朱海平原編はTVアニメ第3シリーズ以降で映像化されており、田里弥も王翦軍側近として登場しています。
田里弥役の声優については、公式サイトやBD・DVDクレジットをご確認ください。
キングダム田里弥(でんりみ)FAQ
Q. 田里弥は史実に実在した武将?
A. 史実には存在せず、『キングダム』におけるオリジナルキャラクターです。史実上の王翦にも右腕的な武将はいたはずですが、その役割を担う創作キャラとして田里弥が配置されています。
Q. いつ第三将から第二将になった?
A. 朱海平原戦で第二将・麻鉱が李牧による奇襲で戦死した後、王翦軍の再編によって実質的に繰り上がり、第二将として扱われるようになりました。
Q. 武力は弱いの?一騎討ちはできない?
A. 「自ら矛を振るうタイプではない」「軍師タイプ」と明言されており、作中でも一騎討ちシーンは描かれていません。王翦軍の将軍である以上、一定以上の武勇はあるはずですが、物語上の役割は完全に”用兵家・参謀”に特化しています。
Q. なぜ番吾で死んでしまったのか?
A. 番吾戦は、李牧・司馬尚という趙側の二枚看板が揃った戦いであり、王翦軍は青歌軍の力を見誤った形で大敗を喫しました。その過程で、田里弥はジ・アガ追撃中に司馬尚本隊の強襲を受け致命傷を負い、それでも王翦本隊撤退のために踏みとどまった結果、戦死しました。
Q. どんなタイプの将軍か?
A. 軍師タイプで、自ら矛を振るわない知将です。田里弥兵は”賢く戦う兵団”と説明されており、臨機応変に戦場へ対応できる柔軟性を持っています。
Q. 亜光・麻鉱との違いは?
A. 亜光=武力重視、麻鉱=武と策のバランス、田里弥=知略特化の軍師タイプ、という三すくみ構造になっています。
さて、今回は王翦軍第2将の田里弥を見てきました。
生真面目だけどギャップがあり、どこか面白いナイスキャラな田里弥。
倉央との掛け合いも面白いですし、番吾の戦いで王翦への忠義を貫いた壮絶な最期は多くの読者の心を打ちました。
田里弥は頭脳派で真面目な性格ながら、倉央などの仲間に適切につっこみを入れるバランス感覚を持つキャラクターでした。
その知的な三白眼と頭脳派としての活躍から、多くの読者に愛されるキャラクターとなっていました。
亜光将軍と田里弥を失った王翦の表情は見えませんでしたが、田里弥を見送るときの瞳は寂しそうで、読者の心を打ちました。
まずは、アニメでの登場も待ち遠しいです(^^)






